名高大岡越前裁(国立劇場11月歌舞伎公演)


久々に観に行った歌舞伎は、大岡越前を題材にしたものだった。名奉行としてドラマでも有名な大岡越前が、さまざまな事件をだれもが納得のいく解決方法で裁いていくという話だ。ただし、今回この歌舞伎の舞台で題材に使われた「天一坊事件」については、実在の事件ではあるがもともとは大岡越前の裁きとは無関係だったという。それを大岡裁きに仕立てたのがこの物語だ。
主演の大岡越前中村梅玉。そして、悪役の法沢、のちに天一坊を演じるのが市川右團次。さらに、悪事を働く天一坊を助ける元関白家の家来・山内伊賀亮を演じていたのが、坂東彌十郎だ。この山内伊賀亮があまりにも切れ者でよどみなく嘘をつくため、天一坊は将軍のご落胤(私生児)として認められそうになるが、大岡越前守はその判断に納得がいかず、ひそかに許しを得て調査をするのだった。

途中、大岡越前が窮地に立たされて妻や子とともに切腹を覚悟する画面は、涙なしではみられない感動シーン。地味な題目だと思いきや、笑いあり涙あり、ストーリーもわかりやすく、見どころも満載であっという間に時が経った。非常に面白かったです。

国立劇場って席はゆったり座れるし、パンフレットは安いし(笑)、歌舞伎を楽しむのに最高の環境だと思う。休憩時間にはランチも劇場内でいただきました♪