WOOD JOB!~神去なあなあ日常~

先日お目にかかった方と私がいかに日本のお祭りに惹かれているかを力説していたところ、この映画を紹介していただいた。「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」といった数々の代表作を持つ監督、矢口史靖氏による映画だ。三浦しをん氏の小説「神去なあなあ日常」を映画化したものだという。

主人公は、染谷将太演じる、平野勇気。受験に失敗し、彼女にふられ、都会でテキトーに暮らす彼がよこしまで応募したのは「緑の研究生」という、林業研修生だった。研修を終えて、彼が配属されたのは、中村林業。ここで、飯田与喜という、暴力的だが才能ある山の男に学びを受けながら、勇気はどんんどん山の暮らしになじんでいくのだった。
登場人物がわき役に至るまで実力派なので安心してみていられる面白さなのだが、面白かったのだ海猿以来みた伊藤英明だ。いわゆるイケメン俳優なのに、すっかり粗暴な山の男になりきっていて、その破壊力に笑ってしまった。はじめは林業をなめている勇気が、暮らしていくうちにどんどん変わっていき、また地元の山男たちにも認めれてコミュニティになじんでいる様子が繊細に描かれていて、とてもよい。
そして、一見御柱を思わせる、48年に一度の神事、オオヤマヅミはよかったなぁ。ハラハラすることはたくさんあるが、だれも人は死なないし、明るい気分になれるよい映画だ。終わり方から考えると、続編があってもおかしくない。