Joscho Stephan Trioの によるニューイヤーコンサートで豊かな「ライブ初め」を。

ヨショ・ステファン(Joscho Stephan)。ドイツはメンヒェングラートバッハ (Mönchengladbach) 出身のギタリストで、いわゆるジプシーの出自ではないのだが、その腕前からマヌーシュ・ジャズの世界でよく知られた存在だ。父親のガンターGünter から指導を受けてギターを始めたのに、のちにその父親をリズムギターに迎えてデビューアルバム"Swinging Strings"をレコーディングした強者でもある。このコロナ禍においても、ネットを用いてギター指導にライブに継続的に活動していたのが、さすがである。

そのヨショが元旦に合わせて、事前録音してあったライブビデオを公開した。ニューイヤーコンサートといえばウィーンフィルだと思っていたが、マヌーシュ・ジャズミュージシャンがニューイヤーコンサートを届けてくれるなんて夢のようだ。メンバーは、リズムギターがスヴェン・ユングベックSven Jungbeck、そしてベースがボルカー・カンプVolker Kampだ。


ゲストは2名。ビブラフォンは、マティアス・ストラッケンMatthias Strucken。ヨショとは、アルバム「Gypsy Vibes」を出している仲だ。いい絡みを見せてくれている。
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そして問題はもう一人。ピアニストの名前がよくわからない。私には「マイケル・シェンカーMichael Schenker」に聞こえるのだが、この名前で検索しても、あのロックギタリストでマイケル・シェンカー・グループのリーダーの情報しか出てこないのだ。だれかお分かりになるかた、ご教示いただければと思う。

曲の片隅にするりと入ってくる有名なフレーズにわくわくすることはもちろん、セットリストに「Wave」のようなブラジルの名曲が入ってきたり、最後の曲がビレリ・ラグレーンの「Made in France」だったりするところも、飽きさせない。本来だったらドイツの方々だけが楽しむライブストリーミングが、日本にいる私にも見られるなんて、コロナも捨てたものではない。もちろん、はやく収束するに越したことはないけれども。