- 作者: 勝又あや子
- 出版社/メーカー: 東洋書店
- 発売日: 2008/07
- メディア: 単行本
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これまた、過日書いた私の大好きな旅行ガイド本「ハッピー」シリーズの一部をおぎなえる1冊だ。
中華料理といえば、特徴のある四川料理や食べやすそうな広東料理・台湾料理などがフィーチャーされがちだが、じゃあ北京で食べる料理といえば? 一般的に、北京ダックしか思い浮かばないのが普通ではないだろうか。「北京」って料理名に付くくらいだし。でも、北京で普通の食事をして、本書を読めば、中華料理がいかにバラエティに富んだ料理なのかがわかる。中華料理に対する「脂っこい」「野菜っ気ない」などといった偏見も一掃される。
私は、今回、北京に駐在する友人の案内で北京料理を食してから、この本に出会った。私が北京で味わったのは、想像を絶する具材を餡にした水餃子に、疙瘩湯(geda-tang)と呼ばれる、つぶすいとんのスープ、セロリのあえもの、しゃきしゃきのジャガイモ、油麦菜(You-mai-cai)の炒めもの、香椿(xiangchun)という青菜と豆腐のあえ物…日本で中華料理を普通に食べにいった時には、まずお目にかかれないメニューだろう。こんな料理たちの解説だけでなく、どのレストランで出会えるか、まで書かれているのがうれしい。ご丁寧に料理を楽しむために使える中国語講座まで含まれている。
北京に行くことを決めたら、たとえ現地に友人がいなくとも、食事を楽しむ時に役立つ良本だ。この本が北京日常料理の世界へいざなってくれるはずである。