「G2」創刊号

g2  ( ジーツー ) 創刊号 vol.1 (講談社MOOK)

g2 ( ジーツー ) 創刊号 vol.1 (講談社MOOK)


http://g2.kodansha.co.jp/
「月刊現代」の後継誌。
「ノンフィクション新機軸メディア」を謳い、これからもノンフィクションを掲載、ネットでも無料公開していくという。

正直なところ、この雑誌が創刊されることも知らなかった。仕事上の関係者の勧めで手に取った次第だが、読み進めると先の展開が気になって気になって、387ページもある冊子にものすごい集中力を発揮しながら、完全読破。ノンフィクションのおもしろさに目覚めた。

ところで、この雑誌のなかに、「感染宣告〜日本人エイズ患者と性愛の連鎖」という、石井光太氏のルポがある。HIV感染者に実際に対面取材をすることで、その人生を過去から現在まで浮き彫りにする、というもの。その構成には好みもあると思うが、これを読みながら思い出した。

フランス語を専攻していた私がはじめて読み切ることができた長編ペーパーバック、それは、HIVに感染してしまった17歳の女の子が書いた自伝だった。摂食障害を患っていた女の子が彼と出会ったころの幸せな日々から、AIDS判明後の苦悩、葛藤まで。フランス文学の教科書には当然紹介もされない類の本だ。洋書を読み終えられた試しのなかった私が、この本についてはSeropositifという当時は辞書にものっていなかった特殊単語をものともせず、当時は夢中になったのであった。

考えてみると、この本だってまさにノンフィクション。なんだ、昔からノンフィクションが好きだったのね。

不真面目な十七歳

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