キャピタリズム〜マネーは踊る〜


言わずと知れた有名人マイケル・ムーア(Michael Moore)脚本・監督・製作の最新作で、原題は、[capitalism:a love story]。今日でしばらく会えなくなる友人と映画を観る約束をしたのだが、限られた時間枠とその人の観たい映画リストからたまたま抽出されたのがこの映画だった。だいぶ前に宣伝を観ていたので、この映画が公開初日だったとは知らずに…道理で満席だったわけだ。
http://www.capitalism.jp/

そんな消極的なきっかけでの鑑賞だったため、この映画にはまったく期待をしていなかった。マイケル・ムーアって何というか、社会の問題点をあぶりだして、脈絡なくヒステリックに突き上げるドキュメンタリーをつくっている…とまあ、そんなイメージを持っていたから。

果たしてこの映画をみて、彼のイメージは覆された。問題提起からその追及まで、その内容は地に足が付いている。この映画の要はリーマンショックで明らかになった金融危機の原因を探ることにあるのだが、そもそも、その問題の前章から発端、その後の社会の流れまでがわかりやすく説明されている。ムーア氏が問題点を為政者に大して付きつける時のその態度はコメディだけれども、基本的には米国の問題を自分の身の丈で捉えて、それを改善するにはどうすればいいのか、ただ批判するだけでなく、彼なりの解決策まで提示しているところがよい。

「自分一人では、もはやchangeを実践できないから、この映画を観ている人にも立ち上がってほしい」と、ムーアは聴衆に語りかけていた。でも、ムーアのジャーナリストとしての活動は明らかに奏功している。この映画で放映されたいくつかの問題は、ムーアが現場取材に立ち会っていなければ、解決しなかったような気がするから。

さ、次はどんなネタで来るかな。
http://www.michaelmoore.com/