田紳有楽・空気頭(藤枝静男、著)

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)

田紳有楽・空気頭 (講談社文芸文庫)


シュールすぎる世界観に、驚愕しっぱなし。あまりの世界に、読むのを中断するとその前までのあらすじがわからなくなってしまうくらい。「田紳有楽」に至っちゃ、初めから想像を絶する登場人物とシーンに、ついていくのが大変。「空気頭」は、うって変わって初めはまともなのに、どんどんどんどんおかしなことになっていく。

でも、ただおかしいだけではないのがポイントだ。表現が大変に文学的で繊細で美しい。この表現が使われているのが、この場面じゃなかったらなぁ…という感じ。「田紳有楽」では、途中チベットあたりの風景も登場する。

たぶん、一度読んだだけですべてを理解するのは不可能なので、まずはざっくりとコンセプトをつかんでから、ゆっくりと読み進めるくらいの読み方のほうがいいのかも。