占い師は詩人的感性が求められる〜トルココーヒー占い


トルココーヒーは、かなり細かく挽いた粉ごと提供される、お砂糖がすでに入った甘いコーヒーだ。粉が沈むのを待ってから飲む。けっこう甘いので、デミタスカップに入るくらいの量がちょうどいい気がする。

このコーヒーを使ってやるのが「トルココーヒー占い」らしいが、これについてあるガイドブックをみると「そのあたりのコーヒー屋でお願いすれば占ってくれるかも!?」なんて書いてあった。一体どういう仕組みで占うのかととても不思議に思っていたのだが、その疑問を口にしたら、駐在歴の長い人が目の前のトルココーヒーで占ってくださるという。

やり方は、まず飲み終わって少し粉っぽい液体が底に残った状態のコーヒーカップをソーサーの上にひっくり返して置き、20分ほど、つまりコーヒー成分が乾いて形が固定するまで放置する。この残ったコーヒー液が織り成す形で占うのが、コーヒー占いなのだ。

目の前にいた占い師はその詩的センスを大いに生かしながら、その形を読み解き、私の将来を占ってくれた。その内容は内緒だが、悪いことは言わないのが基本らしい。たとえば、ラクダのような動物の形がみえたら、それを続く旅になぞらえたり、空に浮いているようにみえる丸い形を月や太陽になぞらえたりするわけだ。なるほど、そう言われると、コーヒーが織り成す形すべてが、何かの形にみえてくるから、不思議だ。コーヒーカップの内側に、絵巻物か何かの物語が描かれているようにみえてくる。

センスの高い占い師に巡り合えれば、きいているだけでロマンチックで前向きになれる結果をもらえること、間違いなし。