社会起業家〜社会責任ビジネスの新しい潮流〜(斎藤 槙、著)


「社会をよくしよう」という志をもとに新たな仕事にチャレンジしようとする人々や企業、団体について書かれた本だ。かつての日本で多かったような、所属する組織に対して忠誠心を発揮するのではなく、「目的達成に対する忠誠心」を中心に行動することで、心の満足感を得る人が増えている。そうした行動をいちはやく開始し成功した人たちの話が満載で、興味深く読むことができた。

米国では2003年までの間で、すでに半数以上の大学が社会起業関連の授業を準備していたとか。やはり進んでいるなと思った。一方の日本でも社会起業家的な企業は増えていると思ってはいるが、そのパイオニアとしてここに紹介されていたのは、雑誌「ソトコト」のオーナー、小黒一三氏や財団法人共用品推進機構を設立した星川安之氏、社会責任投資(SRI)をリードする秋山をね氏など。皆さん素晴らしいが、とくに星川氏の思想が好き。彼がいうように、いつか、「障害者向け共用品玩具」「普通の玩具」なんて区分けがなくなって、どのおもちゃもだれもが楽しめるのが当たり前になって売り場も同じになれば最高だと思う。

本書のトビラにあった詩がシンプルでよかった。
Thoughts
Watch your thoughts; they become words.
Watch your words; they become actions.
Watch your actions; they become habits.
Watch your habits; they become character.
Watch your character, for it become your destiny.