きもの読本(中原淳一)

中原淳一きもの読本

中原淳一きもの読本


中原淳一による、お洒落な着物の女の子のイラストも魅力だが、それ以上に着物の魅力を綴る文章が素敵な本。なぜ今このような袖の丈になったのかとか、現在のような着こなしになったいきさつや意味も説明されていて、おもしろい。中原氏の確固とした着物感は、日常着として着物を着こなしていたお母様をみて培われたもののようだ。
とにかく日常的に来てほしいということ以外に、曲線の少ない日本人のスタイルにこそ着物が合うのだということや、若々しい着付けとは何か(とくに、胸の部分に余分なしわが出ないようにせよ、と書かれていたな)、そして、着物がいかに合理的にできているか、よく説明がなされていた。着物に似合う髪型のアレンジ方法についても細かく紹介されていた。
この本を読んだら、着物を着たいという気持ちが妙に高まった。群ようこ氏は着物生活を実践されていたが、やはりスペシャルなものとしてではなく、普段から着るものにしたいものだ。