Meilleur espoir Feminin(女がいちばん憧れる職業)


2000年、仏、100分、ジェラール・ジュニョー(Gérard Jugnot)監督
京橋で開催中の「現代フランス映画の肖像」で上映していた1本。このイベントでは色々なフランス映画を上映しているが、ほとんど書かれていない解説をアテに、コメディだという点にも期待をしてこの映画を選んだ。
G.ジュニュー演じる、ブルターニュ地方の田舎で「美容室2000」という店を営む美容師のイヴォンは、育て上げた愛娘レティシアが女優を目指すことを知り、大騒ぎ。イヴォンは親ばか丸出しの、ちょっと身勝手な父親なのだが、なぜかほほえましい存在だ。人間くさいというか。不器用だけど娘の愛情だけで動いているタイプ。芸能界という、急激に大人にならざるを得ない世界で生きるレティシアにはうっとうしくも、最終的には本当に信じられる存在となっていく。
G.ジュニーは、ちょっとフランス映画を観ていれば絶対に観たことがある、コメディアンだ。自身で脚本も演出もしているせいか、笑いのテンポを心得ている。また、彼と彼の隣人役の人たちの楽しさが映画を牽引。コメディとちょっとほろりとされるところと、そのバランスが最高に素敵。私は不覚にも涙が出てしまった。また、レティシア演じるBérénice Bejoが、田舎の高校生から女優としてどんどん輝いていく様が妙にリアルだ。地味だけれどもいい映画だった。

◆映画のトレイラー◆
http://www.dailymotion.com/video/x34dwy_meilleur-espoir-feminin-ba_shortfilms