パリでメシを食う。(川内有緒)

パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)

パリでメシを食う。 (幻冬舎文庫)


パリで働く人々に対面インタビューをして、その生い立ちや暮らしぶり、その職業に就いた動機などを近い目線でとらえた本。ちょっと著者の主観が混じりすぎていて、純粋なインタビュー本として捉えられなかったところもあるが、今もパリで暮らす日本人たちの成功(失敗)談話を時にほろりとしながら読んだ。とくに、お店で買った靴の左右が違ったため、返品しにいったら逆に店員にキレられた話や、料理人の人が厨房で嫌がらせるを受ける描写は涙が出そうになった。学生時代に、そこまでひどい苦労はしていないのになんでだろう。
パリの暮らしってのは、日本で語られるほどお洒落じゃないとか、むしろ暮らしにくくて不満に思いながら暮らしている人もいるはず。この本では、そんななかで苦労したり、また成り行き上パリ暮らしを確立している人のことがわかる本だ。「パリってやっぱり素敵」と思わせるエピソードは少ないかもしれないが、どうしてもパリ暮らししたい人は「もしかしたら自分でもいけるかも」と勇気づけられるかもしれない。
今パリに住んでいる人は、この本をどう読むのが、ちょっと興味あるなぁ。
そうそう、Yukkiさんというヨーヨーアーティストで、国立サーカス芸術センター(CNAC-Centre National des Arts du Cirque)を出ている日本人の人がいるというのをこの本で知って、思わずYouTubeでチェックしてしまった。