大陸の細道(木山捷平)

大陸の細道 (講談社文芸文庫スタンダード)

大陸の細道 (講談社文芸文庫スタンダード)


舞台は昭和19年の満州。厳寒の地、しかも敗戦の色が濃いなか、かの地に赴いた主人公・木川正介は、中年にして召集される。
背景だけみるととても暗そうだが、本人は飄々としている。配給で得られる以上の酒をどうにか得たり、寒さに喘いで旅館に文句付けたり、お金が足りなくて自分を満州に派遣した満鉄に文句を言うも門前払いにあったり。それでも生きようとする木川。
なんか普通。なぜかゆるい。ゆるさが絶妙で、さくっと読み終わってしまった。