人生、ここにあり! 


(Si può fare、監督・脚本:ジュリオ・マンフレドニアGiulio Manfredonia、2008年、イタリア)
1983年のイタリアでは、世界初の精神病院廃絶法バザーリア法により、病院の患者を入院中心型から地域生活型にすることで一般社会に適応させようとしていた。
バザリア法 - Wikipedia
そんななか、主人公ネッロは、失業の挙句元精神疾患患者の協同組合で働くことになる。その組合の仕事は、切手はりなどの単純作業。情熱的な性格、そして労働の意義への想いから、ネッロは、個性的な組合員たちにもいつもの調子でコミュニケーションを図って信頼を得、「単純作業ではない仕事で、お金を稼ぐ」という道を見出していく…。
個性的な面々の行動にはハラハラさせられる場面もあるが、ネッロが新たな協同組合を立ち上げてから彼らの才能を見出していく過程や、その才能がさらに幅広く認められていく過程には感心するばかり。そして、ネッロがその個性をもとに仕事を割り振っていくあたり、鮮やかだ。
原題のSi può fareは、"You can do it."という意味合いだと思うが、まさに、才能を尊重してあげれば、どんな人でもやればできるんだよね。
実話に基づいているらしいが、映画としての笑いと哀しみと希望の配分も秀逸で楽しめる。さらにいうと、サウンドトラックがジプシーブラスであるところも、すごくよいです。