「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国

「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)

「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)


イギリス人の視点から日本や米国を観察してきたコリン・ジョイスさんの最新エッセイは、在外生活を経てから改めて自国を見つめた内容となっている。
英国で名高いあの料理群を「独創性の高い」と表現してみたり、England Onlyな英語表現の数々(前も思ったのだが、awesomeとかmomってのは米語特有の表現らしいのだ。知らなかった)、そして、1909年以降ゴールが入ったことないというイートン・ウォール・ゲームという摩訶不思議なスポーツのことや、伝統的な「モリスダンスMorris Dance」のことなど。英国にこれから住む日本人に向けた「気を付けるべきこと」など、普通にはわからない文化がたくさん書かれていて、おもしろかった。英国が誇る作家ジョージ・オーウェルについての行をみたら、彼の作品を一度読んでみたくなった。その国で敬愛されている作家を読むことは、きっとその国の文化をさらに深く知る第一歩だと思う。「ルーム101」「ビッグ・ブラザー」「水の中の月」という言葉をみて、言葉尻以上の何かを捉えることができるようになるためにも、ね。
なお、この本では、阿波踊りについて日本でジョイス氏が非常に楽しんだことと、踊りは元来楽しくてアホなものだから、阿波踊りについていわれている「踊る阿呆にみる阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損」という格言?は最高の知恵であるとの所感が書かれているが、このモリスダンスっていうのをYouTubeでみたら、なんだか牧歌的というかすごく不思議なダンスだった。
モンティ・パイソンとかでネタにされているんではなかろうか…。