L'Ecole Mondine Garcia〜ジプシー流メソッドで学ぶマヌーシュ・ジャズ


ラ・ショプ・デ・ピュスLa Chope des Pucesは、パリ郊外クリニャンクール(Saint-Ouen)にある、マヌーシュ・ジャズ好きにとっては有名なカフェだ。店のwebサイトをみると、Le temple du JAZZ MANOUCHE(マヌーシュ・ジャズの神殿)なんて書かれているが、まさにジャンゴ・ラインハルトも演奏したという伝説の場所であり、今もつねに大物ミュージシャンが集まるらしい。
la chope des puces -
ジャンゴ生誕百周年の折には、現オーナーのMarcel Campion氏がこのカフェとジャンゴにまつわる本まで出版している。

さて、このカフェで演奏して50年だというMondine Garciaの名前を冠したマヌーシュ・ジャズ学校が始まったらしい。知らぬ間に、かのカフェの表看板にもデカデカと"マヌーシュ・ジャズ音楽学校"の文字が加えられている。

ところがこのMondine氏、昨年12月29日に逝去されているため、今年より息子のNinine Garciaが中心となって運営に携わっているようだ。
学校の特徴は、理論やソルフェージュをやるのではなく、ジプシーたちがやるのと同じように、耳からマヌーシュ・ジャズを学ぶというものらしい。映像には、この教授法をプッシュする若手天才マヌーシュ・ジャズ・ギタリストSwann Bergerの姿も。あと、現在活躍するマヌーシュ・ジャズミュージシャンの姿を追って本まで出したJean-Baptiste Tuzetも、この学校の教育方針を推奨するコメントしている。Tuzet氏もちゃんとギター弾けるんだなぁ。当たり前か、あんな図鑑のような本を出すくらいだから。

授業に参加すれば1時間もあれば弾けるとか、楽器をまったく触ったことがない大人でも、耳が良ければ3カ月で曲が弾けるようになる…なんて聴くと、ちょっとやりたくなってしまう。
"J'espere que le musique de Django vivra."ジャンゴの音楽が生き続けることを願う、と語る男の子が印象的だった。でも、これだけ情熱的な人が今でもたくさんいるんだから、生き続けるに決まっている。教育環境が整えば、なおさらではないだろうか。