Sweet and Lowdown(ギター弾きの恋)。エメット・レイの「中の人」


(1999年、米、ウディ・アレン監督)
ウディ・アレン映画ってば、最近マヌーシュ・ジャズ率高いじゃないの」と思っていたが、そうだそうだ、この映画のことを忘れていた。
ジャンゴ・ラインハルトが生きた1930年代のシカゴで、ジャンゴを崇拝し、ジャンゴの二番目に天才ギタリストだと信じているエメット・レイの恋話。もちろんフィクションなのだが、ウディ・アレンやらジャズ評論家らしき人がエメット・レイについて語ったりするシーンから始まるものだから、うっかりエメットの存在を信じてしまいそうになる。
映画そのものの筋はさておき、楽曲はジャンゴ・ラインハルトのスタンダードに満ち溢れているので、好きな人にはいい映画かもしれない。
さて、マヌーシュ・ジャズを自分で弾けるような人が当然気になるのは、ショーン・ペンのギター手腕だろう。素人目には、ぎこちなくもかなり頑張っているようにみえるのだが、どうだろう。このショーン・ペンの指導をした人は、ニューポート生まれのベテラン・ジャズギタリスト、ハワード・オールデンHoward Aldenという人らしい。指導だけでなく、彼がエメット・レイの音部分もすべて担当しているとか。この動画では、なんとバンジョーのバンドでI'll see you in my dreamsを披露。新しいサウンドだ。

一方、リズムギターの「中の人」は、1曲を除いてすべてバッキー・ピザレリBucky Pizzarelliだったとか。この人を確認しようと動画をチェックしたら、意外にお年を召していて驚いた。

私が知っているのは、この人の息子さん、John Pizzarelliの方でした。どうやら私の勘違いだったらしい。バッキーのほうは、グラッペリとも共演歴があり、プレイの迫力はさすがだった。