(アレクサンダー・ペイン監督、米、2011年、The Descendants)
スーダンの人権侵害をワシントンで訴えて身柄を拘束されたと話題になっていたジョージ・クルーニー主演の映画をたまたま観た。
ハワイで先祖代々の土地を管理して暮らすマットの妻、エリザベスが、ボート事故で昏睡状態に陥る。情緒が不安定で問題を起こす次女に、寮生活をさせるも素行がよろしくない長女を抱えてあわてふためくマットに、さらなる家庭の問題が持ち上がる、といった話。
家族というのは外から見える姿とその内情というのは、必ずしも一緒とは限らない。そして、その原因というのは、どちらが悪いというものでもないような気がするのだが、そうとは知らない第三者に色々と責められるマットが気の毒だ。でも、娘たちとの関係を修復させ、新たな形で妻の身に起こった出来事を見つめ直し、行動に起こす姿はお見事。はじめは腹立つばっかりの長女の彼も実は優しい一面が見えたりすると、それだけで親近感がわいたりする。主人公マットが意外に苦労せずして家族との関係を立て直すことができたり、不動産の仕事の問題も世間的に納得されるような形にもっていったりするあたりは、米国映画的なのだが、それでいて嫌味がないというか、すんなり受け入れることができ、珍しく感動すらしてしまった。ハワイの文化の中で描かれているせい、かなぁ。