マイケル・ジャクソンとマヌーシュ・ジャズの相性は?

マヌーシュ・ジャズのアルバムは、その大部分の収録曲がジャンゴによる作品と、演奏者のオリジナルによって構成されているが、いわゆるマヌーシュ・ジャズの演奏スタイルで、色々なジャンルの曲の演奏が可能であることは、よく知られていると思う。
なかには、ジャンゴのレパートリーはまったく演奏せずに、独自の道を突っ走るグループもいるわけで、その代表がThe Lost Fingersというカナダはケベック出身のグループではなかろうか。Bon JoviにSamantha Fox、Technotronicまで、80年代の懐かしい曲をマヌーシュ・ジャズで演奏するという発想で作られたアルバム"Lost in the 80's"は、新しかった。確実に新たなマヌーシュ・ジャズ・ファンを取りこんだに違いない。
さて、マイケル・ジャクソンがなくなって何年になるだろうか。ふと思い立って、マイケルの曲をマヌーシュ・ジャズでやっている人はどれくらいいるのか調べてみた。
まずはおなじみ、The Lost Fingers。彼らの十八番はこちらのビリー・ジーンである。語尾がきゅっと上がるその歌い方まで、マイケルへの気持ちがみて取れる。
Billie Jean

ところが、他にもマイケル・ジャクソンを演奏してみたマヌーシュ・ジャズ界の人々を発見した。
Aurelien Boulyの"Liberian Girl"

Stephane Morinと組んでの演奏。もともとがエキゾな曲調ということもあり、なかなか良い感じだ。

Swan Bergerの"Heal the World"

まあ、元々の曲のコンセプトとしては、Swan君が弾くのが妥当かもしれないが、その後の"Blues Clair"の演奏に移ったとたんに、Swan君が水を得た魚のようになったのは、気のせいか。

Denis Chang率いるグループの"You Are Not Alone"

出だしはStella by Starlightなのだが、ここから"You are not alone"につながっていく。普通によい感じのギタージャズになっている。

色々紹介してきたが、やはり忘れてはいけないのは、この人たちでしょ。Stochelo Rosenbergが参加しているグループの演奏する「今夜はビート・イット」。
Sochelo Rosenberg "Beat It"

どうみても楽屋裏での演奏二連発だが、お遊びにしては完成度高し。ストロークが強いから、曲負けしない格好の良さにつながっている。
Showin' how funky and strong is your fight
It doesn't matter who's wrong or right
Just beat it...ってまさか、ライブにかける意気込みを託して歌ってみたのではあるまいが。
この後のステージでもマイケルの演奏をしたのだろうか。気になるところです。