文章の書き方(辰濃和男、著)

文章の書き方 (岩波新書)

文章の書き方 (岩波新書)


天声人語の筆者だった著者が、あまたある名文を紹介しながら文章の書き方を説く本。
感情豊かに、知的好奇心をもって、平明に、バランスをとって(自分の後姿をみる努力をして、おのずとみえてくる社会の後姿をとらえる)、ユーモアと品格を持ち、具体性を持って、先入観にとらわれない。
幸田文さんの「木のきもの」という随筆で、木の肌を着物の布にみかけて紹介していくあたりなど、秀逸の観察眼と表現力だと思った。文章上手への道は遠い。