実在した 「トリオ・ガルシア(Trio Garcia)」とのバーチャル再会


フランスのストラスブールには、今もVirgin Mega StoreとFNAC、二件のCD屋さんがある。マヌーシュ・ジャズ関連だとどんなCDを売っているかな…とのぞいてみるも、Django ReinhardtとThomas DutroncのCDくらいしか見当たらない始末だ。関連コンピレーションもそこまで種類豊富とはいえなかった。日本のDisk Unionの品揃えがいかに豊富か、思い知る瞬間…。とここに、いかにもマヌーシュ・ジャズだとジャケットデザインで一目でわかるCDを見つけた。

トリオ・ガルシア!  数枚置いてあるということは、新作だろうか。この名前には憶えがあるのだ。
今から4年前のこと、夏真っ盛りのパリのカフェ"Taverne de Cluny"にて、たまたまこのトリオに出逢った。musicircusのネタにもしたのではないかしら。

観光客だらけでだれも音楽を聴いていない状態のなか、私だけが食い入るように彼らを見つめていたので、ミュージシャンの方も「ヘンナヤツ」と思ったのか、ライブ終了後会話をした。そのなかで彼らは自分たちのことを「トリオ・ガルシア」と紹介し、「二人なのにトリオォ?」という私の心の突込みを知ったのか、今日は二人だけれども実はもう一人いて、明日はバスティーユでライブするからまた来てよ、と言われ、私はそのバーの名前をメモした…にもかかわらず、結局そのライブには行かなかった。今思うと、そのバスティーユのライブスペースは、L'Atelier Charonneだったような気がする。
まあとにかく、その後ネットで"Trio Garcia"を検索したけれども名前は出てこないし、活動の様子もわからない。もしかして、トリオ組んでいるなんて聞き間違いだったのかしら…。もうほとんど記憶から消えかかっていたところにこの出会いだ。バージン・メガストアの片隅で、私は狂喜乱舞し、そのCDを買って帰った。
帯にはこんな一言が。"DECOUVREZ LA LEGENDE DE LA DYNASTIE DES GARCIA" ガルシア一族の伝説を見つけてください。
今頃になってこの「ガルシア」が偉大なるギタリスト一族に属することを知ったのであった。
diskunion: TRIO GARCIA / SWING AU COEUR DE PARIS
このCD、もちろん日本でも売っているのでお試しください。
なお、ライナーはThomas Dutroncが書いている。"Ce n'est jamais facile de faire un disque, alors un premier disque,...."そう、CDを出すのは難しいのだ。そんな彼らの第一作目を知ることができてよかったと心から思ったのであった。