再会の食卓


ワン・チュアンアン監督、2010年、中国、団圓(Apart Together)
ある一家に台湾から一通の手紙がとどく。差出人は、元国民党の軍人で40年前に1年だけ連れ添ったことのある、ユィアーの夫イェンションであった。その後、イェンションはユィアーを訪ねる。台湾に一緒に戻りたいという意思を告げるために。
でもユィアーにはすでに夫ルーも、子供も、孫もいる。このようななか、ユィアーはどんな決断を下すのか。
食卓は家族の象徴、人間関係の象徴でもあり、その食卓を囲んで、家族の議論が交わされる。時に抑圧された人がホンネをぶちまけたりして。
評判が高いというのがとてもよくわかる。でも、40年後の再会をテーマにしているわりには、さらっとしている。待ち合わせをしていたはずの夫が、出会えなかったことの償いもなしに、台湾の妻が亡くなったからと昔の奥さんを迎えにくるその状況と、それに対するユィアーの心理状態がよくわからないのだ。ここが、好き嫌いがわかれるポイントかもしれない。
本来重たいはずのテーマがさらっと描かれているのは、見方によってはいいことかもしれない。あと、台湾からの訪問団が上海ツアーにいくシーンで、さりげなく、本当にさりげなく、ガイドさんが上海の発展の著しさをアナウンスの中に詰め込んでいたのに、くすりと笑ってしまった。「台北101」より高いビル、とか、世界最高速度のリニアモーターカーとか、ね。

再会の食卓 [DVD]

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