モントーバンMontaubanは、フランスの南部ミディ=ピレネー地域圏の都市の名前だ。マヌーシュ・ジャズが好きな人なら、ある歌が思い浮かぶと思う。そうそう、「モントーバンの火(Flambée Montalbanaise)」という曲だ。アコーディオン奏者ギュス・ヴィズールGus Viseurが、第二次世界大戦中爆撃を受けたモントーバンの町が燃えていく模様を描いたという、哀愁がただようメロディが印象的だ。
そんなわけで、ちょっとマヌーシュ・ジャズのレパートリーにゆかりがあるかもしれないモントーバンにて2012年から毎年演奏をしているのが、カナダで80年代ポップスをマヌーシュ・ジャズでアレンジして演奏活動をしている3人組、ザ・ロストフィンガーズ。2009年には"Lost in the 80's"というアルバムで国際的にも名を挙げたアーティストである。2013年の彼らの演奏の様子を、フル動画で見つけた。これは楽しめる!
ちなみに、モントーバンで行われるジャズフェスティバルFestival de Jazz a Montaubanに2014年7月1日の夜、出演が決定した模様だ。
Festival de Jazz à Montauban (82)
チューチョ・ヴァルデスChucho Valdes、ジョージ・ベンソンGeorge Benson、イブラヒム・マルーフIbrahim Maaloufといった大物ミュージシャンのなかで、ぜひマヌーシュ・ジャズ界のヌーベル・ヴァーグの実力を発揮してもらいたいと思う。身近な材料をうまく仕立てた彼らの演奏は、マヌーシュ・ジャズを全く知らない人がその魅力に取りつかれるきっかけになりうるから。