友人に誘われた公演はフラメンコ+和楽器で道成寺という組み合わせの妙に圧倒された。和の雰囲気を持つフラメンコダンサーの衣装はシンプルでセンスが良いもの。フラメンコの手拍子、パルマの動作は、僧の祈りの姿に通ずるものがあると思った。さすがの演出だ。
道成寺の鐘のシーンは「おお、こう来たか」という感じ。本当は、ラストシーンで「拍手したい」と思ったけれど、誰も拍手しないのでそこはぐっとこらえて…。
和楽器にも耳を澄まさずにはいられない。冒頭部分、美しい歌声は里アンナさんのもの。奄美大島民謡の歌手だそうだ。なるほど。僧として和太鼓をたたくのは齊藤栄一さん。笛吹きとしては、山口幹文さんの笛の美しさ、そして吉井盛悟さんの胡弓の意外に現代的なメロディにも心を奪われた。ダンサーと楽器奏者が絡むシーンがたくさんあったのが印象的だ。西馬音内盆踊りの寄せ太鼓のアレンジに合わせて手拍子が鳴りフラメンコダンサーが踊るシーンは新鮮だった。