遮光

遮光 (新潮文庫)
芥川賞大江健三郎賞を受賞した作者、中村文則氏の両賞受賞前の作品。
虚言癖の青年が、持ち歩くボトルに死んだ恋人への想いを寄せながら、周りの人に恋人が生きているかのようにふるまう。
痛々しくて相当狂っていて、でも、狂気と嘘にまみれたなかに、恋人への強烈な思いだけが真実として光っているような、そんな話かな…。状況が状況なら、彼が持ち歩いた恋人の一部は違う部分になっていたのかもしれないな。

作家のプロフィールをみたら、こんな文言があった。
http://www.nakamurafuminori.jp/profile.html
2007年、カメかダンゴ虫になりたい、と思う。(なんとなく)

…どうしてそんな心境になったんだろう。ユニークな感性の持ち主だから、小説家になれるのかなぁ。