バイオリニストMathias Lévyとマヌーシュ・ジャズ

マヌーシュ・ジャズの世界のギタリストはこの世界を極めている人が多い一方で、バイオリニストはマヌーシュ・ジャズにとらわれず多方面で活躍している人が多い気がする。ステファン・グラッペリStephane Grappelliやディディエ・ロックウッドDidier Lockwoodの活躍は言わずもがなだが、たとえば、Wawau Adlerともよく共演しているエヴァ・スロンゴEva Slongoも、元々はクラシックからマヌーシュ・ジャズに入り、ジャズトリオでも活躍中だ。
マヌーシュ・ジャズ界のシンデレラ? スイス出身バイオリニスト、エヴァ・スロンゴEva Slongoに注目 - 空間Annex

さて、そんな多方面で活躍するバイオリニストで、マヌーシュ・ジャズの世界とも関係が深いだろう人物を発見した。Mathias Lévyマチアス・レヴィ、32歳。パリ郊外のクラシック好きな一家で生まれ育ち、5歳からバイオリンとピアノを学び始める。16歳でル・ランシーLe Raincyのコンセルヴァトワールで1位を受賞してから、ジャズに興味を持ち始めたとか。2002年に自分のバンドを組織してからは、ジャズフェスにも出場機会を得るようになり、2008年にレコーディングしたファーストアルバムは2011年にステファン・グラッペリ賞のグランプリを受賞。
キャリアは非常に美しいというか、苦労知らずにみえる。バイオには、ジャンゴだのマヌーシュ・ジャズという単語は一切含まれていないが、共演者にはジャズの若手ミュージシャン以外にも、アドリアン・モワニャールAdrien Moignardやセバスチャン・ジノーSébastien Giniauxといった、マヌーシュ・ジャズが好きならピンとくる若手も交じっているし、トニー・ガトリフTony Gatlifの映画"Liberte"にも楽曲提供をしているらしい。
2014年11月にパリのSunsideで行ったライブの様子を観ると、「お、この人はマヌーシュ・ジャズ好きだ」と思うこと請け合いだ。

マチアスのグループのメンバーでもあるセバスチャン・ジノーだけでなく、ロッキー・グリセットRocky Gressettまでサポートしてくれている結果、素晴らしくスウィングしたライブとなっている。

ちなみに、こちらが数年前に自身のカルテットでパリの有名なジャズクラブ、Duc des Lombardsに出演した時のライブの様子だ。

これはこれで素晴らしいとは思うが、やはりもっと洒脱な演奏の方が好きだな。
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Mathias Lévy | Mathias Lévy