ファンからの募金でニューアルバムづくりをするフランスのマヌーシュ・ジャズ・バンドMinor Sing


先日、マヌーシュ・ジャズ界の若手ギタリスト、ノエ・レーヌNoé Reineが、自らのアルバムをファンからの募金で賄う、いわゆるクラウドファンディングで作ろうとしている、と紹介した。

15歳のマヌーシュ・ジャズ ギタリストNoé Reine。1stアルバムはこんなやり方で。 - 空間Annex

同じスキームを使って、目標金額の4,200ユーロを集めきったバンドがいる。ミノール・シングMinor Singだ。近年はLes Doigts de l'Hommeのギタリスト、ヤニック・アルコセルYannick Alcocerも参加しており、フランスのリヨンで活動をしている。活動歴は8年ほどで、2012年には、自らのファーストアルバム"Manzanas Swing"をプロデュースし、CDとして1,000枚ほど売り出したという。
f:id:asquita:20150217234051j:plain

その在庫も尽きたところで、新しい曲もできたなか、セカンドアルバムを制作するにあたって、必要経費となる総計7,836ユーロの約半額にあたる4,200ユーロについて、ウェブサイトを通じて資金を募った…とのこと。
Nouvel Album de Minor Sing - Ulule
援助金額によって、援助者はMinor Singからそれに見合った特典をもらえることになる。おもしろいのでちょっとリストアップしてみよう。

L1; 5ユーロ~
SNS上で感謝の気持ちを表明

L2; 15ユーロ~
0/1フォーマットのでのアルバム提供(要はデータで提供してもらえる、ということね)

L3; 20ユーロ~
アルバムを郵送でお届け!(ただし、1,000名限定)

L4; 40ユーロ~
リヨンのクラブLa Clef de Vouteで5月3日に行われる、アルバム発売記念ライブに2名様無料招待+リヨンのアペリティフ付き(限定80名)

L5; 60ユーロ~
アルバムのクレジットに名前を連ねる+2枚のアルバムを手渡しで受け取る(限定50名)

L6; 100ユーロ~
ミュージシャンのうちの1人とごはん(限定20名)

L7; 400ユーロ~
Minor Singがあなたのために1曲プレゼント。+アルバム4枚を手渡し(限定3名)

L8; 600ユーロ~
Minor Singのメンバーがデュオであなたの自宅(ただしリヨンから100キロ圏内)でコンサート! +アルバム6枚を手渡し(限定10名)

L9; 1,000ユーロ~
Minor Singのメンバー全員であなたの自宅でコンサート(ただしリヨンから150キロ圏内)。+アルバム10枚を手渡し(限定10名)

細かくセグメント分けがされており、しかもお得感がある。Level 4あたりがとても人気なのもわかる気がする。すでに目標金額を達成しているのだから、これは成功事例でしょう。これからこういうアルバムの制作方法が主流になっていくのだろうか。


LDDLHのYannick Alcocerが参加。フランス、リヨン発のマヌーシュ・ジャズ・バンドMinor Sing。 - 空間Annex