(ジョニー・トーJohnnie To監督、2014年、香港・中国)
おなじみジョニー・トーが、懲りずにラブコメの続編を作ってきた。
主人公はGao Yuanyuan演じるチーシンは、蘇州の建築家と結婚間近。ある日偶然街角で相場の神様と呼ばれる女性ヤンヤン(Miriam Yeung)を見つけて猛烈アプローチし、彼女の経営する会社に金融アナリストの部下として入社した。ところがその向かいのビルにはかつての恋人、Louis Koo演じるシェンランが勤務している。しかも、その彼がヤンヤンのパートナーになった。
シェンランは移り気でいろいろな人にアプローチをかけており、ヤンヤンも、そしてチーシンも気が気でない。チーシンの兄でアーティストのPaulもヤンヤンを気にかけており、アプローチをかけてくる。4人の男女の恋はどうなるのか…という話。
まず、チーシンがとってもかわいい。前作よりもかわいさ倍増。そりゃだれもが好きになるよなぁといった感じだ。それに比べてシェンランの誠意のなさが気に食わない(笑)。
でも、そのうちにシェンランの気持ちが本当にある場所に気が付くと、そこには切なさしか残らない。そしてポール。ヤンヤンとは「ニースにいた」という共通点があって、うまくいきそうなのにこれがまた…じれったいのだ。
途中、ヤンヤンとポールのデート中に出逢う「タコ」。たしか実際にドイツのタコでサッカーの国際試合の予測していたやつがいたよな…と思って調べたら、その名前はパウルPaulだった。なるほど、そういう過去の事象もいろいろと紛れ込んでいるのだな。
相場の世界も、このタコの予想も「逆張り」がキーワード。そして恋愛もみんな素直になれず逆張りして、そこで失敗したりなんだりするんだな、と妙に納得してしまった。映画のメッセージとちょっと違うかもしれないが。
映画の中で頻繁出てくる歌を調べたら、黃小琥という人の"沒那麼簡單It's not that simple"という曲だった。この歌詞が、暗闇の中でハッとするような、ぐっとくる内容だった。
「多くの裏切りにあったあとは 心から話せる相手はそう簡単に見つからない。恋に落ちるのはそう簡単ではない。もう夢見る年頃ではないのだから」みたいな、そんな感じの歌詞。www.chinasmack.com
ラム・シューはジョンという、シェンランの部下として登場し、いつもの彼らしさを見せてくれます。
飛行機でジョニー・トー最新作が観られるなんて、シアワセ。
ちなみに単身男女の感想はこちら。asquita.hatenablog.jp