イタリア北部、新しい形でジャンゴの時代を偲ぶコンサート、Portrait of Django Reinhardt

このおしゃれなポスターを観ていただきたい。
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このポスターは、今年10月、イタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州の町ボルツァーノBolzanoおよびメラーノMeranoにて行われた、"Portrait of Django Reinhardt"というイベントのものだ。2箇所のポスターを組み合わせるとジャンゴの顔が出来上がるというナイスデザイン。そしてイベントはまさにそのタイトルどおり、音楽とともにジャンゴ・ラインハルトの半生を語り、文化を綴るような内容だった模様。たぶん、髪型の雰囲気から、舞台下手にいるのが主催者でありリズムギターを担当するフランツ・ザルナドFranz Zanardoだと思われる。そして、MCスクリプトの原稿は、あの有名なマイケル・ドレーニMichael Dregniの「ジャンゴ・ラインハルトの伝説」からとられたとか。

ジャンゴ・ラインハルトの伝説 音楽に愛されたジプシー・ギタリスト

ジャンゴ・ラインハルトの伝説 音楽に愛されたジプシー・ギタリスト

楽器編成が意外に豪華なだけでなく、5人の女性シンガー(Helga Plankensteiner, Annika Borsetto, Gisella Ferrarin, Greta Marcolongo, Elisa Venturin )による、マヌーシュ・ジャズにのせたジャズソングの披露もイベントのもう一つの特徴だと思われる。なぜボーカルかというと、ステファン・グラッペリも歌っていたから…とのことだ。その他、クラリネットを使ったパーカッションからのNuagesとか、ダンスパフォーマンスにPhilip Gaidaという人によるライブペインティングの舞台もあったとか。つまり、ジャンゴ・ラインハルトの時代と文化を多角的にとらえた、新しいジャンゴトリビュートイベントといえるだろう。
アルト・アディジェといえばドイツ語話者が多い印象があったのだが、Wikiでみたところでは、このエリアのイタリア語話者率は7割ということだ。だから、MCがイタリア語なのかな。ま、ドイツ語でもイタリア語でもよくわからないが。

司会者が「イタリア出自のステファン・グラッペリ」というようなことを(たぶん)言っており、はっとした。ジャンゴ・ラインハルトといえばベルギーで生まれてフランスで亡くなった印象があるが、マヌーシュ・ジャズを広く捉えたら、イタリアだって関係してくるんだなぁ。プロジェクト発起人のフランツは、イタリアでほぼ知られていないジャンゴ・ラインハルトの知名度向上という指名に燃えている様子。ぜひこのイベントを他地域にも広めてほしい。こんなに効率よくジャンゴの曲を聴けるコンサートはそうないだろうから…。

★Meranoのコンサート(10月14日)

★Bolzanoのコンサート(10月27日)