お正月。時間があったのでうっかり手に取ってそのまま読み切ってしまったこの本は、村上春樹氏があちこちで書いた紀行文をまとめたものだ。旅の本。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2015/11/21
- メディア: 単行本
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家族でラオスに縁深い人間がいるためついついタイトルに目がいったのだが、実際はラオスも村上氏の旅先のひとつというだけだ。アイスランドではパフィンを観たり食べたり愛でたり、文化を愛する人々について考察してみたり、オレゴン州のポートランドとメイン州のポートランドで美味しいものをたくさん食べてみたり(両方の街とも結構地味だ)、NYではヴィレッジバンガードのオーナー、ロレイン・ゴードンに実際に会った話も出てきたかな。フィンランドでは、思い付くままにカウリスマキ兄弟が経営するという「カフェ・モスクワ」に行ったものの、バーテンダー外出によりカクテルを楽しめなかった話のような、旅のハプニングも。
まあでもフィンランドに行くチャンスがあったら行ってみたい感じのお店だ。
イタリアのトスカーナでは、自分が小説で登場させたところオーナーさん自らそのワインを送ってくださったというコルティブォーノというワイナリーにアポをとって実際に訪ねた話だったかな。熊本訪問は「東京するめクラブ」のメンバーで訪問し、地元のセレクト本屋を会場にひっそりとトークショーをした話とか。まあ村上春樹氏にだって旅のハプニングはたくさんあるわけで。「ハプニングがないと旅じゃない。それでもハプニングを楽しむのが旅なのだ」というようなことだね。
で…ラオスはなんだったかな。世界遺産の地に行ったはずだが、托鉢だとか何だか描かれた情景が日常のことだったせいか、本当に印象がないぞ。ラオスにはいった何があったというんだろう。もう一回読まなきゃね。