ハウ・パー・ヴィラ(HAW PAR VILLA)、別名タイガーバームガーデンに行ってきた。私がかなり昔に行ったことがある、タイガーバームガーデンin Hong Kongはもはや存在しないので、これが地球上で最後のタイガーバームガーデンとなる。
説明によれば、タイガーバームの事業拠点をシンガポールでに移すことで大成功を収めた胡兄弟が、中国の倫理的価値を永遠のものにし、人々に共有したいという目的のもと、1937年に開園したとか。いわば兄弟なりの社会貢献の形だというのだが…。
入口からしてもう怪しいぞ。
門には豹と虎がいて、まぁデザイン的にかわいいといえばかわいいのだが、それ以外にも…
大蛇に今にも喰われようとしている犬だかオオカミだがの置物とか。
タイガーバームのプロモーションをする子トラの少年少女は、目が笑ってなくてこれまた怖い。
首塚? やめてーーー。
洞窟に入っていくと、今度は地獄絵図が待ち構えている。どうやら基本的なマナーから人殺しまで、色々なルールを破った人々に対する制裁が描かれているのか。殺し方が具体的なものばかりだ。写真撮影がはばかられるレベル。
地獄絵を散々魅せられた洞窟から外に出て、ゆるめの燃えよドラゴンのような壁画にほっこり。
庶民の暮らし、農民の一日…といった細かい描写に感心するも束の間。
うぉ、よくみるとおばあさんがお母さんのお乳を吸っている…まあいいけれど、これ、こんなにおおっぴらに公開しなきゃならないシーンなのか。
動物たちがガチで戦争をしている岩山。ウサギは指揮しているのか?
あ、赤十字のマークをつけたネズミの治療を受けているのもいるが、すでにこと切れているネズミも…。
竜宮城? 海っぽい描写の岩陰には、カメ男が。髪型も不思議だ。
こちらも別の貝から女性が出てきている。男性はもはやカニそのものなのか、食べられているのか、理解に苦しむ。海ってこんなに怖いところなんだっけ。
お相撲さん。これは日本の国技のはずだが、なぜここにいるのか。
子供ぉ! お母さんの一張羅が破れてお尻が見えそうじゃないか!
パンツ一丁のブタがヤギを口説く。いや、ほっぺをつねっているのか。なんでこうなるの? ブタの足がなまめかしい。
…というわけで、もはや何を学んでどうとらえていいのかわからないまま、ハウ・パー・ヴィラ訪問は終わったのだった。現在工事中なので、通れなかったり見られなかったりするものも多数があったが、このシュールな感じは一度味わってみて損はないだろう。細かく観察すれば観察するほど、新たな発見があるに違いない。
奇妙なものをここでみすぎたせいで、色々な鳥が普通に止まっている枝のオブジェがとても平和なものにみえた…。
一見新しくてきれいなものばかりが目につくシンガポールだからこそ、ここに来てほしいと思った。確実に世界観がねじ曲がること請け合いだ。