とにかく華やか! 今風で楽しい! 通し狂言 しらぬい譚(ものがたり)尾上菊之助筋交いの宙乗り相勤め申し候@国立劇場

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国立劇場の50周年を記念した新春歌舞伎公演に行く機会があった。しらぬいものがたり? 原作の「白縫譚」をベースに作り変えたものらしいのだが、名前の地味さと裏腹に相当面白かった。
まずは菊之助演じる若菜姫が登場。シーンは、土蜘蛛の妖術を譲り受けるところからはじまる。彼女は大友家の遺児であり、妖術をたくみに使って菊地家に復讐を図ろうと考えている。菊地家は筑前城主の貞行が博多の独鈷屋で宴会の真っ最中。忠臣の鳥山秋作がたしなめに入るが、聴く耳を持たない貞行。そこに現れたのは、若菜姫の化身である七草三郎だ。その美しさがゆえに気に入られ、貞行に召しかかえられたが、実は菊地家の滅亡を狙ってたの家臣と共謀していたのだった。いちはやく気がついた鳥山豊後之助は、菊地家の家宝の鏡で妖術に対抗するのだった。
というわけで、あらゆる場面で若菜姫ののろいがかかるなか、それを断ち切り家を守ろうとする忠臣たちの活躍が描かれるのだった。

化け猫屋敷とネコに取り付かれる人々、その前で松六演じる秋作の大立ち回り、蜘蛛を表現した蜘蛛の巣模様のライティングと、その中を飛ぶ若菜姫の「筋交いの宙乗り」。舞台上と二階席の端っこを対角線に結び、そこを蜘蛛の糸を撒き散らしながら渡る若菜姫は見ものだったなぁ。宙吊りは猿之助スーパー歌舞伎しかないと思っていたので、事前に何も解説を読まずに観劇にのぞんだ私にはうれしい驚きだった。菊之助って足が小さいんだなぁ。足袋も美しく整っており、宙吊りになっていても美しかった。
亀蔵はピコ太郎に扮して登場しあの名曲のアレンジを歌うし、(そっくりすぎて、ピコ太郎かと思ったら、私が観た日は違ったらしい)、義太夫三味線はバーンと登場、尺八も花道の真ん中でソロ演奏してくるし、もうイベント満載でお腹いっぱいの楽しい楽しい観劇だった。出演者を含めて何の解説を見なかった割に、菊五郎菊之助親子や松緑はすぐに見分けがついたところも、少しずつ歌舞伎の世界に近付けている気がして、うれしかった。
50周年記念公演ニュース|国立劇場50周年記念サイト|国立劇場

劇場を出れば、歌舞伎のキャラだとか色々なゆるキャラの一員として国立劇場のキャラ「くろごちゃん」も出迎えてくれて…PNSPがお気に入りだった私が思わず記念撮影をしてしまったのはナイショです。
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