「バーフバリ! バーフバリ!」と叫びたくなる。バーフバリ~王の凱旋~@新宿ピカデリー


監督・脚本 S・S・ラージャマウリ、2017年、インド、Baahubali 2: The Conclusion


とにかく私の周囲では評判が良すぎるこの映画を観た。映画館で観たほうが迫力が伝わるに違いないと思ったのだが、本当にその通り。この「王の凱旋」は、「王の誕生」に次ぐ作品なのだが、パート2からでもきちんとストーリーにフォローできるようになっている。

舞台はマヒシュマティ王国。ここでの王位継承をめぐって繰り広げられる戦いの様子を描いている。次期王の座が決定しているアマレンドラ・バーフバリは国民からの人気も高く英雄として慕われている。国母シヴァガミは、バーフバリの戴冠式までの期間、国民の状況を把握するために旅をすることを提案したので、バーフバリはカッタッパを従えて旅に出る。途中、小国クンタラ王国の姫、デーヴァセーナに一目惚れし、身分を隠しながら親戚の使用人として王家につかえるようになるが、ひょんなことからその立場が明らかになってしまう。そして、デーヴァセナが出した手紙が原因で、シヴァガミの怒りを買ってしまい、マヒシュマティ王国は混乱に包まれるのだった。

ストーリーでは大部分が回想シーンと戦いのシーンばかりなのだが、大勢を相手に戦うバーフバリの戦術がすごすぎて目が点になる。水牛の使い方とか、矢の入り方とか、お城に潜入するための方法とか。それこそ、空間に向かって矢を放つと、そこに敵が現れて矢に射られちゃったりする。バーフバリはこれから現れる敵の動きが予測できるのかしら。荒くれものの象や水牛の乗りこなし方もかっこいい。スケールが違うぞ! こんな戦士は不死身であってほしい。

デーヴァセナとバーフバリが二人でマヒシュマティ王国に舟で向かうシーンはすごい。戦いはなく、フォーカスは二人に当たった平和なシーンのはずだが、「え、その舟ってそういう仕組みなの?」と度肝を抜かれる。

バーフバリの勇ましさを知るにはこちらの映像と曲がおすすめだ。

日本にも戦国時代の国盗り合戦を描いた映画があるけれども、そうした映画の中で使われる戦術を相当スケールアップして、いやスケールアップしすぎてコメディにも見えなくはない。でも、登場人物によって提示されるコメディ要素は一つもない。でも演出がすごすぎて笑っちゃう、という感じかな。もしこの映画を観るなら、このすごさと感動を共有できる人との鑑賞をおすすめしたい。