Le Dernier Django (1951-1953) - 晩年のジャンゴ作品を集めたアルバム

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今年の6月にこんなアルバムが出ていた。彼が亡くなる1953年までの録音を集めたアルバム、"Le Dernier Django"だ。このアルバムを聴いていると、実はジャンゴの晩年というのは、ごりごりのモダンジャズだったんだということがよくわかる。ジャンゴ・ラインハルト=Quintette du Hot Club de France(ホットクラブ五重奏団)という印象は、このアルバムで完全に払しょくされるだろう。そもそも、共演者がサックス、ドラムス、ピアノ、トランペット…という時点で、こんなに曲の印象が変わるものなんだな。

マヌーシュ・ジャズを私が聴き始めた初期に出逢った曲、"Nuits de Saint-Germain"や大好きな"Anouman"も、晩年に作曲したものだという。また、やはり私の大好きな"Troublant boléro"は、管弦楽のアレンジのものと、ギター×トランペット(かサックス?)が収録されている。ギターのみでのアレンジしかきいたことがない私には、とくにこの管弦楽アレンジは新鮮に響いた。

10年以上前に、Symphonic Djangoという、 ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneやクリスチャン・エスクーデChristian Escoudeが、ノルウェーのオーケストラと共演してジャンゴの音楽を演奏するプロジェクトがあった。あるいは、ビレリもビッグバンドWDR Big Band と共演してアルバムを出したりしていた。

オーケストラやビッグバンドとギターの共演はとても新鮮だと思っていたが、ジャンゴは自分でもその編成をすでに試していたんだな…。