「ルーム」。実際に起こった監禁事件をベースにした映画。

レニー・エイブラハムソン監督、カナダ・アイルランド・英国・米国、2015年

10年ほど前にオーストリアで起こった実話に基づいた、恐ろしい映画。
長髪の男の子ジャックとママ。狭い部屋に暮らしているが、どうやらパスワード付きの地下部屋に閉じ込められている模様だ。ママはジャックに、世界はこの部屋だけで、テレビでみる世界はすべて偽物だと信じ込ませる。

しかし、ジャックが5歳になったこと、そして男が失業したことによる自分たちの身の危険をきっかけに、ママは自分が7年前に名も知らない男に誘拐され監禁されたという話をする。そして、その地下室から逃げることを画策するのだ。ところが、外の世界はママにとって必ずしも素晴らしいものではなかった…。マスコミの注目、世間の非難…心はどんどん不安定になっていく要素がたくさんある。

監禁されていた「部屋」こそが異様な状況だったのに、部屋知らない少年が不安になってしまい、「部屋に戻ろう」というところが切ない…。

町山智浩氏の解説が非常にわかりやすい。