"P8 Jazz Alive"に登場した、Dorado Shmitt親子とDR Big Band。

DRBB-The Danish Radio Big Bandは、1964年に創設された、デンマークの国営放送ラジオ局のビッグバンドだ。(DR=Django Reinhardt、ではない。)この由緒正しいビッグバンドが、そのシュミット親子、Amati & Dorado Schmitt と共演したとしたら、マヌーシュ・ジャズ好きは興味を持つだろうか。
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この共演は、"P8 Jazz Alive"という企画の中で行われたようだ。各界のミュージシャンを招いて、ビッグバンドと共演させる、というもの。そのゲストの人等に、Doradoが選ばれた、ということらしい。Doradoの息子、Amatiがリードギターを弾き、Doradoはヴァイオリンに徹している。

ビッグバンドとマヌーシュ・ジャズ界のミュージシャンの共演は、今までもいくつか事例がある。たとえば、あのビレリ・ラグレーンBireli Lagreneは、10年以上前に西ドイツ放送のビッグバンドWDR(Westdeutschen Rundfunks) Big Band と共演してアルバム"Djangology"を出したりしていた。

ストーケロ・ローゼンバーグStochelo Rosenbergと、フローラン・ニクレスクFlorin Niculescuは、ノルウェーのオーケストラ、Kristiansand Symphony Orchestraと過去に共演していたっけ。こちらは、ノルウェーのマヌーシュ・ジャズギタリストでありプロデューサーの、Jon Larsenがリードしたプロジェクト"Symphonic Django"だ。

10年以上前に、Symphonic Djangoという、 ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneやクリスチャン・エスクーデChristian Escoudeが、ノルウェーのオーケストラと共演してジャンゴの音楽を演奏するプロジェクトがあった。
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最近では、フランスのコンセルヴァトワール仲間で結成されたビッグバンド、The Amazing Key Stone Bandが、ビッグバンドでマヌーシュ・ジャズを演奏弾いており、去年には"Django Extended"というアルバムを出している。これまた、Stochelo Rosenberg、Marian Badoi、Thomas Dutronc等が参加した豪華アルバムとなっている。

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私はマヌーシュ・ジャズの素朴なアンサンブルが好きなので、ビッグバンドで厚みが出すぎたマヌーシュ・ジャズは、「またにはいいよね」という楽しみ方なのだが、世の中のマヌーシュ・ジャズファンはどうなんだろう。ま、マヌーシュ・ジャズは元のメロディが素敵なものが多いから、これはこれでいいのかな。

なお、冒頭に紹介したDRBBの指揮をとっているのは、日本人の作編曲家の挾間美帆(Hazama, Miho)氏。2019年10月に、DRBBの首席指揮者に就任したそうだ。ひょんなところから、世界で活躍する日本人の姿を垣間見られるとは、うれしい気分になる。