なぜか涙が出る選曲…連日、小曽根真のピアノを堪能できる贅沢

コロナ禍による諸々の影響があるなか、色々なジャンルのアーティストが自宅で音楽を演奏して積極的に配信している。それにまたまた色々な人が重ねてコラボレーションすると、星野源さんの「うちで踊ろう」のようなことになり、それはそれで楽しいなと思う。一方、Facebookのアカウント経由でご自宅のリビングから毎晩ライブ配信をしているのが、小曽根真さんだ。今晩は12日目、となっていたな。奥様の神野三鈴さんが配信の裏側で小曽根さんに来たコメントを読み上げる等してサポートしている様子がうかがえる。

今日の配信では、リスナーやお父様のお誕生日を曲でお祝いしたりしていたのだが、配信中にだれかがリクエストしたThe Carpentersの"Rainy Days And Mondays"を弾いていた。これが心に沁みて、泣けてきてしまった。原曲もいいのだけれども、こんなに泣けるのは小曽根さんのアレンジがさらに良いせいに違いない。しかも今日は奇しくも雨の日の月曜日ではないか。リクエストした方のセンスも素敵だが、多くのリクエストが寄せられる中からこの曲をピックアップして、「覚えているかなぁ」なんていいながらさらりと演奏してしまう小曽根さんの凄さよ。

小曽根さんのバークレー時代、まだそんなに英語が達者じゃない頃、よくわからないまま今や超有名ジャズミュージシャンたちとなった若者たち(Jeff Tain Wattsの名前も!)とセッションした思い出とか、誘われた「ギグ」の意味がわからず仕事を危うく忘れそうになった時代の話とかも、なんだかいい思い出の共有という感じで気持ちよく聴ける。
「I'll remember April」とかも、すっごく華やかになっちゃってうっとりしたし、「一人でやるの?」なんていいながら演奏した「Into the sky」もよかった。そうだよね、これ、トロンボーンがリードする曲だものね。

小曽根さんの「Flores Do Lirio」というサンバ曲もよかったなぁ。アルバムをチェックしてみよう。これで、「Nardis」が出てくるんだもの。ビル・エヴァンスのバージョンとはまた異なる魅力でうっとり。〆は「My Tomorrow」で。

"Hangin' around, nothing to do but frown / Rainy days and Mondays always get me down"
「Rainy Days And Mondays」の歌詞とは違って、素晴らしい雨の月曜日の夜だった。今日はまったく外に出なかったけれども、まるでライブに行ったような豊かな気持ちで眠りにつけそうだ。小曽根さんの連日のライブにどれだけの人が癒されていることか。本当にありがとうございます。

はやく、生演奏を楽しめる日が来ますように。

[追記- 4/26. 2020]
過去のLiving room動画も含めて、今後YouTubeにアップされるようです。ぜひ!
“Borderless Music” by Makoto Ozone - YouTube