令和2年12月歌舞伎公演 第二部「天衣紛上野初花-河内山-」@国立劇場

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久々の歌舞伎公演。驚いたのが、ソーシャルディスタンスの徹底。花道の向こうにも二階にもだれも座らせていない状態になっていた。もちろん、掛け声もない。役者のモチベーションは、そして収入は大丈夫なのか。百歩譲って劇場は何らかの助成金とかがあるとしても、劇場内の売店の売り上げは、深刻な問題なのではないだろうか。こんなところで必要以上にコロナの影響を感じてしまったのであった。
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さて、今回みたのが「天衣紛上野初花(くもにまごうううえののはつはな)-河内山-」というもの。河竹黙阿弥の作品だという。中村梅玉の松江出雲守は鉄板のわがまま感があるとして、主役の河内山宗俊が変化する時にもうちょっと勢いが欲しかったなぁとか思ったりした。まあ役者にかける期待が高すぎるだけかもしれない。「鶴亀」そのものは長唄の皆様がずらりと並び美しかったが、福助7年ぶりの国立劇場だったとは。女帝役のあの動きは、麻痺の後遺症ゆえなのかな・・・とかいろいろ考えてしまうとちょっと切なくなってしまった。最後の「雪の石橋」は、市川染五郎が勢いがあったし、舞台の装飾が華やかで気持ちが晴れた。写真がないのが残念なくらい。
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長唄、すごくよかったのに、きちんとしたプログラムを買わないと誰が出演しているのかがわからないのはちょっと痛いなぁ。(唄だけはたぶん杵屋勝四郎さんではなかろうか) 皆さんがコロナ対策で黒いマスクを口元にされていて、演奏はやりにくいだろうが大変素敵であった。