ベルギーのマヌーシュ・コミュニティ出身のギタリスト、ファピ・ラフェルタンFapy Lafertinが2020年にニューアルバム"Atlântico"をリリースしていた。
メンバーはファピ以外に、アレクサンドル・トリポディAlexandre Tripodi(バイオリン)、ルノー・ダルデンヌRenaud Dardenne(ギター)、セドリック・ライモンドCédric Raymond (ベース)。あいにくファピ以外のメンバーのことはよく知らないが、ファピ同様ベルギーを中心に活躍している人たちなのかな。
このアルバムの面白いところは、マヌーシュ・ジャズばかりではないところ。とくに、ポルトガルのファドやブラジルのショーロの香りがするところが興味深い。たとえば、Jacob do Bandolimジャコー・ド・バンドリンの"Vibrações"も収録されている。
メンバーのルノーが作った"Pixinguinha em Lisboa"という曲は、なるほどこれもピシンギーニャっぽい。
この両方の楽曲で、ファピがポルトガルギター(マンドリン)を演奏しているのだが、ふと、マンドリンとバンドリンの違いが気になった。Wikiによると、以下のとおり。
"奏法等はマンドリンとほぼ同じ。 違いは、マンドリンがラウンドバックなのに対して、バンドリンはフラットバック。 南米で「マンドリン」と言えばほぼこの「バンドリン」を指す。"
ほう。音色は似ているとは思ったが、ほぼ変わらないと思っていていいのかしら。なるほど、勉強になった。
さる2020年9月21日、オランダのアイントホーフェン(Eindhoven) にあるCafé Wilhelminaにて、本アルバムの参加メンバーによるライブが行われたらしく、そこでも本アルバムの収録曲を演奏したようだ。公開されているものから、いくつかこちらに記録しておこうと思う。
La belle vie
Cinzano
ちなみに私はこの曲が大好きなのだが、こんなタイトルだっけ...。
ファピ以外のメンバー全員のオリジナル曲だけでなく、ジャンゴがよくカバーしていた、いわゆるマヌーシュ・ジャズのスタンダードも収録されているので、幅広いリスナーに愛されるだろうな。