TORINO JAZZ Festival 2021のビレリ・ラグレーンはあのビッグバンドで登場

2012年以来イタリアのトリノで毎年春に開催されているジャズフェス、Torino Jazz Festival トリノ・ジャズ・フェスティバル。昨年は、コロナの影響で延期になるなど開催に苦労した痕跡がみえるのだが、今年は6月19日〜27日に無事開催されたようだ。
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歴史は浅いジャズフェスだがプログラムをみると毎回華やかなラインナップだと思う。今年はイタリアのピアニスト、ルイジ・マルティナーレLuigi Martinale や米国のピアニストのユリ・ケインUri Caine やアート・リンゼイArto Lindsayも出演したようだ。でも、マヌーシュ・ジャズが好きなら、ビレリ・ラグレーンBireli Lagreneをフィーチャーしたフランスのビッグバンド CHARLIER/ SOURISSE MULTIQUARIUM BIG BAND に注目してしまうだろう。

フランスのビッグ・バンドであるMultiquarium Big Bandのメンバーで、アルバムに名前のあるCHARLIER/SOURISSEは、ドラムのアンドレ・シャルリエAndré Charlier とピアノのブノワ・スリースBenoit Sourisseのこと。彼らは2019年にビレリにコンタクトを取り、ジャコ・パストリアスJaco Pastoriusのトリビュートアルバムへの参加を打診したとか。ビレリはギターの世界で神童として名を馳せており、10代でジャコと欧州ツアーをしたりレコーディングもしていることを考えると、実力以外のところでもアルバムでのジャコ役が適任だったかもしれない。そのあたりの経緯はこちらの記事に詳しい。
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ジャコのセカンドアルバムである"Word of Mouth"に収録された名曲たちは、2020年に発売された "REMEMBERING JACO"に収められている。

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Multiquarium Big Bandとビレリはアルバムリリース後も積極的にライブをしていたようなのだが、今回のトリノフェスでも、このアルバムの編成が生で見られた、というわけだ。観客の方々は何と運がいいのだろう。でも、遠くにいてこの動画をみることができる自分も運がいいな、と思っている。すごく詳しい人なら、ジャコとビレリの演奏スタイルの比較なんかできるんだろうが、私にはそこまではわからない。ただ、やっぱり"Invitation"であまりのかっこよさにぞくっとくるなぁ。
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多少メンバーが異なるが、ビレリとMultiquarium Big Bandの演奏をもっと楽しみたい方は、こちらの動画もお勧めです。
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今回、このフランスのビッグバンドのことは初めて知ったのだが、ドラムのアンドレとピアノのブノワは、自分たち以外の楽器を演奏するミュージシャンを招いたトリオ編成でも活動をしているようだ。たまたま動画を漁っていて、トランペットのフビーニョ・アントゥネスRubinho Antunesと演奏しているアンドレのオリジナル曲、"Abacaxi"がすごく好きになってしまった。アバシャイっていうのは、ポルトガル語で「パイナップル」の意味だそう。このブラジル音楽な感じとめくるめく転調がたまりません。もはやビレリ関係ないけどね。
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