パリから20キロほどの近郊にあるコンフラン=サントノリーヌConflans-Sainte-Honorine(イヴリーヌ県)で行われているジャズフェスを見つけた。きいたことない街だと思ったが、この街の名前とともに検索されている単語をみて思い当たった。週刊紙「シャルリ・エブドCharlie Hebdo」の編集部が襲撃されたきっかけとなった風刺画をある中学教師が授業で生徒にみせたことで、イスラーム過激派の男がこの教師の首を切って殺害したという事件があった。あの事件はこの郊外都市で起こったのか...忌まわしい。
ところで、ニニーヌ・ガルシアNinine Garciaはこの音楽が好きな人たちにどれくらい知られているのだろうか。Ninineのウェブサイトにある紹介文よると、彼はマヌーシュ(ヨーロッパ西部あたりのいわゆるジプシー)とジタン(スペインや南フランスあたり出身のジプシー)の2つの血統を有しており、一家は1910年〜1915年あたりにフランスのパリ郊外サン=トゥアンSaint Ouenに定住したとか。Ninineのことは、10年以上前にパリの"Taverne de Cluny"でTrio Garciaのライブをみて会話を交わして以来、定期的にその活動をチェックすることにしている。今回このジャズフェスのことは、Ninineパトロールの最中に見つけたものだ。
2022年3月に開催されたこのフェスは、どうやら入場料は無料。Manu Katche Quartet、Youn Sun Nahといった有名ジャズミュージシャンも出演しており、最終日の日曜日にNinine Garcia率いるSextetが出演したらしい。
当日メンバーはNinine親子(Ninine Garcia & Rocky Garcia)、それにヴァイオリニストのエヴァ・スロンゴEvan Slongo。いずれもマヌーシュ・ジャズの世界ではよく知られているメンバーだろう。サックスのジル・バリコスキーGilles Barikosky、ジーン・マイ・トルオンJean-My Truongは初めて知ったミュージシャンだ。ジーンについてはクリスチャン・エスクーデChristian Escoudéの"Gipsy's Morning"に参加したこともある、有名なドラマーらしい。ゲストには、ノエ・ラインハルトNoé Reinhardtと、レイラ・デュクロLeila Duclos...レイラのことは知らないな...と思ってちょっと調べたところ、最近ノリにのっているギタリスト+
ヴォーカリストであり、最新のジプシージャズヴォーカルアルバムは、「Jazz Magazine」の4月号で賞を取っているらしい。これは後日調べてみよう。
当日のライブの模様はフル映像を楽しむことができる。音が少し悪いのは残念なのだが、これで予習をしておいて、いつか生演奏を聴きに行けばいいよね。
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