マルセイユにて一通りブイヤベース体験を終えると、次に試したくなるのは地中海料理、もしくはシーフード盛り合わせか。単に海沿いだから...というだけなのだが。しかし、私たちが行こうとした地中海料理のレストランは、いずれも規模が小さくて予約せずに入るのが難しかったり、お店の方が多忙すぎて殺伐としたムードだったりして、いまいちだった。
そこで、次のプランとしてひらめいたのが、アラブ料理。レバノンとかシリア、チュニジア、モロッコなど...モロッコやアルジェリアの銀行も街中にあるし、これだけ移民がいるならば、きっといいレストランがあるに違いない、と考えたのだ。もちろん、全部が美味しかったわけではないが、一つ、ジュリアン広場 (Le Cours Julien) というツーリストが多く集うオープンテラスになっているエリアの近くで行ったシリア料理が美味しかったので、メモしておこう。広場を背にしてジュリアン通りを下っていく途中の左手にあるお店だ。お店の外がテラスになっている。
ASHOURYA
Menu Ashourya cours julien - Ashourya
正直、店探しを諦めたタイミングで入ったので、あまり期待はしていなかった。そもそも、お酒も豊富にあるとは思えなかったし。(そしてお酒が豊富にない、という予想は当たり、レバノンビールやレバノンワインは、ものすごく美味しい、という感じではなかった。)
でも、オーダーしたAhourya Royal a la viandeという、前菜盛り合わせが、相当美味しかったのだ。ファラフェル、kefta(スパイスのミートボールみたいなもの)、クッバ(kebeh)、葡萄の葉っぱで肉を包んだトルコのドルマみたいなもん、ひよこ豆のフムス、ナスのディップ((moutabal)などなど...これ一皿で満腹となる量だったが、どれも最高の味だった。これに満足しすぎて、メイン料理まで辿り着かなかったのは後悔しかない。こんな美味しいシリア料理は、現地に行かないと味わえないのではないか。
フランスにいたらフランス料理、地中海料理!という思い込みを捨てて、ぜひマルセイユでアラブ料理を味わってみてほしい。
ちなみに、お酒の味はイマイチ...などと言ってしまったが、このお店の「Citronnade(シトロナード)」というレモネード的な飲み物は最高。メニューを見ると「シェフの秘密le secret du chef」も入っているそうなので、こちらもお勧めだ。
このジュリアン広場では、広場の真ん中に小川が流れていて、この周りで人々がくつろいだり、路上ライブをやっている人がいたりする素敵な場所だ。ガイドによっては夜の治安が不安...と書かれていたが、少なくとも私が行った8月は、治安に不安は感じなかった。
裏の通りにはゲイバーなどもあり散歩するだけで楽しい。この広場に面したところにあるegoというアイスクリーム屋さんは、美味しかった。量り売りなので値段の目安がつきにくいが、Veaganメニューだけでも種類豊富、スパイスを使った日本では食べたことのないような珍しいフレーバーもあり何種類でも楽しめる。