ネイティヴの感覚がわかる英文法(大西泰斗、ポール・マクベイ著)

ネイティヴの感覚がわかる英文法―読む、見る、つかむ英文法の要点64 (Nova books)

ネイティヴの感覚がわかる英文法―読む、見る、つかむ英文法の要点64 (Nova books)

大西先生とマクベイ先生、この二人の英語教授法の本が我が家にたくさんあるので、改めて読んでみようと思った。まずはこちらの本。サブタイトルにあるように、英文法の感覚をつかもうというもの。
たとえば、I may go skiing this year./ I might go skiing this year.この二つの文章では、前者で50%、後者で30%くらいの確率でスキーに行くだろうということを例に、助動詞は過去形で使うと控えめな表現になるなど。仮定法なども、「現在のことを過去でいえば仮定法」ときくと、なるほどな、という感じがする。そして、そもそも過去形を単なる過去ではなく「遠ざかるイメージ」で覚えれば、このあたりの感覚がつかめるというわけだ。mustという助動詞には、抗いがたい力が働くために「遠ざかるイメージ」を持つ過去形がない、などの説明に納得できる。
今回一番目からウロコだったのは、助動詞のwillにもきちんと「意志」という意味から転じた「力強さ」がある、ということ。だから、willには話し手の強い意志や確信が現れるのだ。つまり、be going toとwillでは、同じ未来でもそのニュアンスが異なり、willはその場で決める意志、be going toはその場に至るまでに心が決まっているという。なるほど。
言葉づかいがゆるいのと、図解されているのも読みやすい。一方で、「ネイティブじゃないのになんとなく使い分けできている前置詞」などを見付けると感動したりもする。