日本の伝統
明治座の150周年記念歌舞伎に行ってきた。明治座の座元兼座頭役者は初世左團次だったそうで、午前の部でやった『大杯觴酒戦強者』(おおさかづきしゅせんのつわもの)は、河竹黙阿弥が初世市川左團次のために書き下ろした作品だったそうな。だから街中にも左團…
前回行ったのは、2015年の新春だったか。「新春浅草歌舞伎」は、若手だけで歌舞伎を演じて浅草の新春を盛り上げる行事だと勝手に認識している。 asquita.hatenablog.jp 身内が浅草歌舞伎の方を久々にみたいというので、こちらの公演につきあうことにした。第…
世界の諸民族の社会と文化に関する情報がこれでもかというくらいそろっている、国立民族学博物館。かつて民俗芸能か何かの特別展示のことを偶然知って行こうとしたら大阪にあったことを知った衝撃は忘れない。以来ずーーっと行きたいと思っていたのだった。7…
松江空港に向かう途中に見つけたのが、この「安来節演芸館」というところだ。パンフレットによると、安来節は徳川中期に出来上がり、大正から昭和にかけて全国に広まった民謡だ。世の中では「どじょうすくいの音楽」ということで有名かもしれないが、実は女…
NPO法人八丈島移住定住促進協議会が定期的に発行する「八丈島くらし通信」は、島の移住や定住を促進するために、島の魅力や名物、おすすめのご飯、移住した人の体験談などが掲載されている冊子だ。この8月号(Vol. 12)の特集のひとつが八丈島太鼓であり、「八…
昨年11月に逝去した二世中村吉右衛門の一周忌追善興行として行われた「秀山祭九月第歌舞伎」に行った。二世吉右衛門が初代の俳名を冠した「秀山祭」をはじめたのが2006年9月だったそう。恥ずかしながら知らなかったのだが、今回の講演で、今の松本白鸚と吉右…
この日の番組は、復曲能「重衡」 (シテ:観世銕之丞)、狂言「鬼瓦」 (シテ:山本東次郎)、そして 能「三輪 白式神神楽」(シテ:鵜澤久)。残念ながら解説講座には間に合わなかったので、プログラムをみながらの鑑賞となった。「重衡(しげひら)」は、…
太宰治の小説「おさん」。これは、ものすごく端的にいうと、夫に浮気され、でもなかなか夫への思いが捨てきれない女性が一人称でその気持ちを語る物語だ。これに、能の「井筒」の「序の舞」のお囃子、さらには、アストル・ピアソラのSoledadが重なる。この「…
2022年8月30日に行われた、お囃子プロジェクトに行ってみた。このプロジェクトは、邦楽囃子方の望月秀幸氏、望月左太寿郎氏が主催しており、敷居が高いと思われている伝統芸能を、昭和歌謡やジャズ、ポップスなどと組み合わせてアレンジし、誰でも楽しめるよ…
まったく知識のないまま、こちらの舞台を鑑賞した。キーワードは「梅若伝説」で、テーマは「母の子に対する無性の愛」。なんでも、梅若丸を人買い(!) にさらわれた母親が、子供を探して京都から隅田川にたどり着くが、そこで子が亡くなったことを知り、埋…
江戸絵両国八景 荒川の佐吉 佐吉は、ひょんなことからヤクザの世界に足を踏み入れたのだが、親分の娘が産んだ盲目の息子、卯之吉を育てることになった。この佐吉が、仲間の大工、辰五郎の手を借りながら男手ひとつで卯之吉を育てる過程で、情けなかった佐吉…
迫力にすっかり圧倒された舞台になった。腹筋を使って叩く太鼓をみることができたし、音の構成とともに太鼓の配置なども美しく変わっていくところがよかった。足で拍子をとることも含めて、太鼓の表現で本当に豊かなんだな。会場でいただいたパンフレットに…
こちらの公演のことを偶然知り、博多座に行ってきた。玉三郎の公演は歌舞伎座でみた阿古屋以来な気がする。 www.youtube.com平日昼の部14時スタートの回に行ったせいか、あるいは玉三郎ファンの層のせいなのか、お客は圧倒的に女性の観客が多かった。博多座…
番組は「神歌(素謡)」「茶壷(狂言)」「碇潜(かづき)」。会場について見ると、「体調不良により出演者が変更になる」とのお知らせが。でもその代わりのメンバーが豪華。とくに狂言では出演者がまるまる変更になる、という状況はコロナ禍ならではという…
今年5月だっただろうか、飛騨高山を起点に白川郷を旅したのだが、私の旅メモはラーメンの話だけで終わってしまった.... asquita.hatenablog.jpというわけで、もう少しだけ旅記録をしたいと思う。高山に行ったのは、もちろん世界遺産の白川郷で合掌造りをみる…
以前鑑賞したお能の会のメモ。神歌(かみうた) 脳の中でも一番古く、翁と千歳と地謡だけによる素謡。能「鷺」 鷺乱という、白一色の装束を着て舞う舞は特別なものだった。その鷺が、帝に敬意を示す姿勢をとったので、爵位をもらった、という話らしい。仕舞…
森脇ユウジさんというクリエイターの方が、民謡クルセイダーズのドキュメンタリーを制作して、昨年11月にスペインのバルセロナで行われる音楽ドキュメンタリー専門の国際映画祭"IN-EDIT"にてその映画を公開する予定....だったそうな。私はもともとドキュメン…
今年初めての歌舞伎座における歌舞伎鑑賞だった。今回の二月歌舞伎のすべての講演の中で、一番興味があったのは玉三郎と仁左衛門による「神田祭」だったのだ。華やかそうだし木遣りとかきけるし、何よりめでたくていいなぁと思っていたのだ。ご縁あって行っ…
アメリカの公共ラジオ放送 NPR(National Public Radio)の"Tiny Desk Concert"に、民謡クルセイダーズが出ているのを発見した。毎年ニューヨークで開催されているイベント globalFESTとNPRがコラボして、4つのインターナショナルバンドが登場するバーチャル…
久々の歌舞伎公演。驚いたのが、ソーシャルディスタンスの徹底。花道の向こうにも二階にもだれも座らせていない状態になっていた。もちろん、掛け声もない。役者のモチベーションは、そして収入は大丈夫なのか。百歩譲って劇場は何らかの助成金とかがあると…
9月末にご縁あって「舎利」という曲目を観た。ストーリーはこちら。 www.tessen.org舎利がわかりやすくおいてあることもあり、ストーリーはわかりやすい。そして、その奪われた舎利を取り返しに行く韋駄天と鬼の掛け合いに勢いがあるので、楽しく観ることが…
今年は、コロナの感染拡大防止のために全国のお祭りが軒並み中止となっている。私の愛する郡上おどりも例外ではないが、この400年も続くお祭りはその歴史をつなぐために、オンライン開催を決定した。今日は「郡上おどり発祥祭」ということで、郡上おどりの歴…
NHKEテレで放映されている「にっぽんの芸能」の司会をしていた石田ひかり氏が番組を卒業をされるということで、石田さんが印象に残った放送をまとめて放映するスペシャル番組を観た。この番組、和楽器や邦楽、あるいは歌舞伎やお能の世界に少しでも近づける…
移住した友人に勧められたのをきっかけに、2012年以来数年に1回訪問している左義長まつり。今年は3年ぶりに行ってみた。 そもそも「左義長」というのは、小正月の火祭りを指すのですが、ここ勝山のはちょっと変わっているらしい。300年以上の歴史があるそう…
十三世片岡仁左衛門27回忌追善狂言と題して行われた二月歌舞伎、昼の部の前半だけ観に行った。舞台は醍醐天皇の御代平安時代、菅原道真を題材にした義太夫狂言だが、私は寺子屋くらいしか観たことはなかった。こちらの解説をみて理解をしたのは、今回をみた…
中村莟玉(かんぎょく)の襲名披露(ただし披露「狂言」なんだが…)を観にやってきた。 ●菊畑 鬼一法眼の館にて、ひそかに源氏の再興を目指して動く二人。その秘密を偶然、鬼一法眼の娘である皆鶴姫が知ってしまった、というストーリー。舞台の合間にいきな…
草津温泉は温度が高いからこそ、「湯もみ」という、お湯を板でかき混ぜてお湯の温度を適温にするという文化がある。その時に歌われているのが、草津の民謡だ。「草津節」「草津湯もみ唄」「草津小唄」の3曲があるらしい。地元民の中では、「草津節」と「草津…
八王子まつりは、毎年8月上旬の土日に開催されるお祭りだ。とくに土日は、甲州街道沿いで色々なお祭りが見られたり、各地区の山車や神輿が見られるという。本当は一度じっくりみてみたいのだが、なかなか日程が合わない。そんななか、久々に八王子祭りを垣間…
久々に観に行った歌舞伎は、大岡越前を題材にしたものだった。名奉行としてドラマでも有名な大岡越前が、さまざまな事件をだれもが納得のいく解決方法で裁いていくという話だ。ただし、今回この歌舞伎の舞台で題材に使われた「天一坊事件」については、実在…
歌舞伎の世話物、「与話情浮名横櫛」(瀬川如皐 作)を、串田和美氏の演出によりアレンジしたという「切られの与三」を観に行った。実はコクーン歌舞伎を観るのは初。何の前情報もなく楽しむことができた。主役は七之助が演じる与三郎、江戸の大店の跡継ぎだ…