10月18日(日)に、埼玉県川越市の「川越まつり」へ行ってきた。
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これは、小江戸と呼ばれる川越の街を、絢爛豪華な山車が練り歩くお祭りだ。正式には「川越氷川祭の山車行事」といい、370年以上の歴史を持つという。2005年には国の重要無形民俗文化財に指定され、2016年には全国33件の祭礼からなる「山・鉾・屋台行事」の一つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録された。

パンフレットによると、川越まつりの起源は、江戸時代初期の1648年(慶安元年)にさかのぼる。当時の川越藩主、松平伊豆守信綱が、城下の総鎮守である川越氷川神社に神輿や獅子頭、太鼓などを寄進し、祭礼を奨励したのが始まりとされている。それから3年後の1651年には神輿が町を巡行する「神幸祭」が行われ、町人たちも行列に加わるようになった。やがて町ごとに趣向を凝らした出し物を披露するようになり、1698年には高沢町が初めて「踊り屋台」を出したという。
川越まつりが大きな影響を受けたのは、江戸の「天下祭」と言われる神田明神の神田祭と日枝神社の山王祭だという。今は江戸のお祭りはお神輿が中心だが、当時は山車だったということか。なぜなら、川越は新河岸川の舟運によって江戸と結ばれていたため、江戸の文化や流行が川越にも伝わり、祭礼も次第に豪華になっていったらしい。
現在の川越まつりは、一般に観光客でにぎわう山車行事は、毎年10月第3土曜日と日曜日に開催されているが、氷川神社の例大祭は10月14日に実施されている。
さて、川越まつりの主役は、各町内が所有する山車だ。豪華な彫刻、金箔、刺繍幕で飾られ、最上部には歴史上の人物や神話に登場する人物などの人形が据えられている。町内ごとに意匠が異なり、それぞれが独自の山車を誇る。






基本的に車輪は4つか3つ、台座の上に二重の鉾を組み、上層の鉾に人形を載せている。人形は、神話や英雄、能や雅楽を題材にしており、古いものはなんと江戸時代後期に制作しているものもあるらしい。上部の人形や鉾は上下に伸縮できる仕組みになっているとのことで、これはもともとは城門をくぐるための工夫だったという。




多くの山車には360度回転できる構造が備わっており、山車同士が出会った際には正面を向き合わせることができる。この仕組みが、川越まつり最大の見せ場「曳っかわせ(ひっかわせ)」を可能にしているとか。回る時、すっごい軋んだ音がしていた。

この曳っかわせは、山車同士がすれ違う際に、お互いの囃子台を向かい合わせ、お囃子を競演することを言う。笛や太鼓、鉦の音が響き合い、山車の上では舞が披露される。周囲では曳き手たちが提灯を掲げて声援を送る。特に夜の曳っかわせは、提灯の灯りに照らされた山車が向かい合い、華やかさを増す。
私が興味があるのはお囃子かな。
川越のお囃子は、江戸時代後期の文化・文政年間に江戸から伝えられたとされ、その源流は江戸の「葛西囃子」にある。もともと川越周辺にあった里神楽と結びつき、独自に発展していったという。
基本的な編成は、演奏者は笛1人、大太鼓1人、締太鼓2人、鉦(かね)1人。そこに、狐や獅子、オカメ、ヒョットコなどの面をつけた舞い手が加わる。演奏する曲には「屋台」「鎌倉」「四丁目」「仁羽(にんば)」などがあり、曲に合わせて舞も変わるらしい。この辺りは江戸囃子と一緒のタイトルのようだ。

川越のお囃子は、大きく次の三つの流派に分けられる。
王蔵流(おうぞうりゅう)
川越市南部の中台地区に伝わる流派。
江戸時代末期に高井戸の「笛角」という囃子の師匠から教えを受け、明治初期には王蔵金という囃子方の指導を受けて改良されたことから、王蔵流と呼ばれるようになったという。中台囃子連中は、川越まつりでは仲町の山車で演奏を担当している。
芝金杉流(しばかなすぎりゅう)
こちらは川越市今福地区を中心に伝承されている流派。
明治初期に、現在の調布市下布田にゆかりのある囃子の師匠、福岡仙松から指導を受けて成立した。
福岡仙松が東京・芝の金杉橋付近で下駄屋を営んでいたことから、「芝金杉流」の名前がついたとされる。今福囃子連中は、1888年に六軒町が山車を新造した際に囃子方として選ばれ、現在までその関係が続いている。
堤崎流(つつみさきりゅう)
埼玉県上尾市堤崎に由来する流派。
明治初期に吉澤菊次郎という人物が、隣村に伝わる木ノ下流のお囃子に改良を加えて成立させたといわれる。川越市内でも広く伝承されており、幸町囃子会や連雀町雀会など、多くの囃子連がこの系統に属している。
なお、川越にはこの三大流派以外にも、若狭流、木ノ下流など複数の系統が伝わっているらしい。
そこで思い出したのだが、2023年には、同じくユネスコ無形文化遺産に登録されている佐原の大祭を訪れているのだった。
佐原では何よりもお囃子に魅了された。50曲以上のレパートリーを持つ佐原囃子は旋律が豊かで、聴いているだけでも楽しい。下座連によって演奏に違いがあるのも面白かった。
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一方、川越のお囃子は、いかにも江戸囃子らしいと感じられる音色とリズム。ただ、私が知っている江戸囃子の手をキャッチすることはできず。残念ながら私にはその違いを聴き分けることができなかった。居囃子もいくつかみたのだが、なんというかキーフレーズがわからず、難しい。これがわかれば、単なるBGMとしてではなく、佐原のように、音楽そのものに夢中になれたのかもしれないけれど。
ただし、川越の山車は本当に素晴らしかった。山車を飾る精緻な彫刻や豪華な幕、最上部に掲げられた大きな人形。半数弱の山車が、県指定有形民俗文化財、市指定有形民俗文化財、川越市歴史文化伝承山車のどれかに指定されているらしいが、どれも本当によくできた山車ばかりだ。そして何よりも、蔵造りの建物が並ぶ歴史的な街並みと山車がよく似合う。
都内から1時間ちょっとの時間で行ける川越の町がこんなに巨大かつ魅力に満ちているとは知らなかった。今後、外国人に「おすすめの訪問先」を聞かれたら迷わず川越を進めると思うし、自分もまた一緒に行ってしまうと思う。その時にゆっくりまつり会館に入って山車のことも学びたいと思った。






























