東新宿から徒歩5分くらいのところにある「山西亭」は、刀削麺をはじめとした山西省の名物が食べられるお店だ。ハニカム構造になっている麺に興味があったので今回訪問してみた。
その前に山西省ってどこなのか。
中国の山西省は中国の北部にある省であり、世界遺産に登録されている「雲崗石窟(うんこうせっくつ)」が一番有名な観光地だと思われる。黄土高原に面していおり、河はいくつかあるにしても、気温が低くて乾燥しておりお米を育てるには厳しい環境だったらしい。というわけで発達したのが「粉もの」。そう、山西省はあの「刀削麺」の発祥の地でもあるのだ。私が初めて刀削麺に出会ったのは「西安刀削麺」だったので陝西省(せんせいしょう)のものだとばかり思っていたが、そうではなかった! ちなみに山西省のお隣にある陝西省の名物は、あの画数がやたら多い漢字で有名になった「ビャンビャン麺」とのこと。漢字を知りたい方は、wikiでご確認ください。
ja.wikipedia.org
お店は半地下にあり、壁にはメニューがベタベタ貼ってあるので、目移りがする。
まずはおつまみとして、豆腐干絲、孜然(ズーラン)豆腐という豆腐をあげたものにクミンをまぶしたもの、それにあげたナスとあげたシメジ、山西省の名物である黒酢を使って白菜を炒めた醋溜白菜(ツゥリゥバイツァイ/白菜の黒酢炒め)あたりをオーダー。いやぁ、どれも美味しくてこれだけですでに感激したのだが、ここで絶対に食べるべきは、クミン豆腐と黒酢白菜かな。本当は、山西省名物らしい白酒を合わせるべきなのだろうが、ちょっと飲み切れる自信がなかったため、ここは浙江省の紹興酒にお世話になることに。
さて、ここからが本番の麺類。本当にどれも美味しそうで目移りしてしまったのだが、4種類をオーダーしてみた。
莜麺栲栳栳 (ヨウミェンカオラオラオ)
筒形にまとめたオーツ麦、という漢字なのだが、まるで蜂の巣のような見栄えだ。これにトマト卵か黒酢のソースをつけて食べる。きちんと生地の味がして、美味しかった。
山西蕎麦炒め
蕎麦で作ったペペロンチーノ的な感じ? 見栄えはそんなに素晴らしくはないが、下手な蕎麦よりもちゃんとお蕎麦の味がする。(そして見栄えが惹かれなかったので、写真を撮り忘れたようだ。)
五彩猫耳朵(五色猫耳麺)
これこそニョッキみたいな感じか。カラフルで、メニューによれば、「五色」とは麺の白、キクラゲの黒、タマゴの黄、トマトの赤、野菜の青を表すそう。優しい味付け、優しい食感。
不烂子(プランズ)
ジャガイモ蒸し麺という日本語の解説があったが、ジャガイモに小麦粉をまぶして一度蒸してから高温で炒めたらしい。ジャガイモの味がしっかりと残っていて、これだけでいいおつまみになる。程よい塩気がいい。
油拨刀削麺
いわゆる油そばの刀削麺バージョンなのかしら。結構さっぱり食べられる。
振り返ってみてびっくりしたが、麺を5種類も食べていたのか。でも正直、もっともっと食べたかった。単純に満腹すぎてこれ以上は食べられないと判断し、泣く泣く諦めたという感じだ。ちなみにお隣のカップルは、お互いに麺と、青菜の炒めをオーダーしていたものの、女性は完食できていなかった。仕方ないよな、量も結構あるから。感覚的に全メニューの7割くらいが粉物というお店というわけで、最低4人くらいで来ると多くの麺類を試すことができるのでおすすめ。ここは絶対また来るぞー!