民クルこと、民謡クルセイダーズに注目して、コロナ中にクラファンまでしたのに、彼らが都内でライブしている時は必ず出張中で生で見る機会に恵まれなかった。それが、先日福生で民クルのボーカル、フレディ塚本さんが参加しているこでらんに〜のライブに行き、すっかりハマってしまった。これは...好きかも。
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福生で知った「日本とエチオピアの民謡交換プロジェクト」の凱旋公演が行われると知り、行ってきた。どうやらこの民謡交換はコロナ中の2021年に、エチオピアの伝統楽器奏者HaddinQo(ハディンゴ)という人の呼びかけで始まっており、同年にはピーター・バラカン主催のオンライン音楽祭で両国の民謡ヴァーチャルセッション実施したとか。コロナ明けの2023年からはHaddinQoが東京に来日、そして今年の2月にこでらんに〜がエチオピアに凱旋し、1,500人も動員したとか。そして、今度はエチオピアのMoseb Bandを招いて今回の公演を開催する運びとなったそう。
HaddinQoがクロアチアのテレビ番組で演奏し、インタビューを受けている映像。爽やかな雰囲気の方ですな。
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Moseb Bandのライブ映像。本来は男性6人組バンドのようだ。
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彼らの音楽を聞く限り、民謡なのはわかるけれども、日本の民謡とどう絡めるのかよくわからない。リズムも揉み手とか間合いが入る余地がない感じだし。そんななか、なぜ民謡交流なのかというと、日本の民謡の音階である「ヨナ抜き音階」は、エチオピアにも「Tizeta」と呼ばれる音階と同じ。また、琉球音階もエチオピアの「Bati」と呼ばれる音階と一緒らしく、親和性が高いそうなのだ。知らなかった!
今回は、Moseb BandのうちMasenqo(マシンコ)という胡弓の一弦かつ菱形バージョン、そしてボディに華やかな装飾を施した太鼓Kebero(カバロ)、6弦竪琴で結構ユニークな形のKirar(クラール)の奏者が来日していた。本当はWashintという竹笛もあるらしく、笛好きとしてはその楽器も見てみたかった。解説文を見る限りでは、篠笛とほぼ同じではないか!
プログラムは、まずMoseb Bandが自分のレパートリーを披露した後に、今度はこでらんに〜が「郡上節」「ドンパン節」「大漁節」「炭坑節」などを披露、その後日本の民謡とエチオピアの民謡を合わせてみたり、エチオピア民謡を炭坑節の振り付けで踊ってみたり、エチオピアの踊りをみんなで踊ってみたり。(ちゃんとメモっておくべきでした。楽曲はうろ覚え)。最後の方には「エチオピア音頭」という、70年代にヒットしたTirahun Gesseseという人の曲"Ethiopia"にフレディ塚本氏が歌詞をつけ、盆踊り好きの方が振り付けをつけたというものも披露された。さすがなんでも盆踊り化する日本人。まだタモリ倶楽部があったなら、ぜひ取り上げて欲しかった企画だなぁ。「福生でも見かけたこでらんに〜ファンの方々や盆踊りイベントでよく見かけるような面々が、エチオピアの衣装を着た方々と盆踊りを繰り広げて、最後にはエチオピアの駐日大使が舞台前で踊りを踊るなど。真の交流を見たような気がした。
こでらんに〜 & MOSEB CULTURAL BANDによる「貝殻節」。これが本プロジェクトを体現したレパートリーだと思うのだが、なんとなくリズムがタイとかラオスのモーラムみたいな感じだ。民謡なのに海外の香りがどんどん強くなっていく、みたいな感じ。
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明日はすみだストリートジャズフェスティバルにも出るようなので、ぜひ多くの方におすすめしたい。そして、もし機会があればぜひ、パンフレットを入手して欲しい。エチオピア・アートクラブの方が作ったと思われるパンフレットは、フレッド塚本氏手書きの民謡歌詞集が収録されているし、エチオピアの国や音楽の情報も盛り込まれていて、読み物として楽しめる。