気持ちよくワインが飲める。「ドメーヌQ」と「レストラン・ボルドー」@石和温泉


今回石和温泉に行くと決めた時から、ドメーヌQを狙って見学依頼のメールをしていた。石和温泉の駅から歩いて20分くらい、石和健康ランドの隣にある建物は、門に年季が入りすぎており、一瞬「ここ、大丈夫?」と不安な気持ちになる。

お約束の時間より早く到着してしまったのだが、事務所に行くと創業者の久保寺孝男氏が快く迎えてくださり、色々な写真を見せながら説明してくださった。彼から学んだのは、このようなことだ。

  • 36坪サイズに醸造所が詰まっており、自称「一番小さなワイナリー」
  • 2000年創業、ドメーヌ久(ドメーヌQ)の"Q"は、創業社長のお名前、久保寺の「久」とQualityの"Q"からきている
  • 畑を持ち、ブドウ栽培から醸造・熟成・瓶詰めまでを自ら行う組織(家族経営が多い)をフランスのブルゴーニュでドメーヌdomaineと呼ぶのだが、こちらもドメーヌであることにこだわっており、ボルドーの「シャトー」とは違う、という強い気持ちを持っている
  • 地元の特産であるデラウェアが熟す前の青い状態で醸造をした「ヌーヌーボー」が自慢でこの言葉は商標登録もしているとか。久保寺さんもこれが一番お好きとのこと。一番早く収穫できるヌーボーなので、ニュースでもよく取り上げられるらしい

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  • もう一つの自慢が「ピノ・ノワール」。葡萄の房に粒がみっちりつくので、湿気の多い日本では風が通らず腐ったり病気になりやすいのだが、栽培が非常に難しいこの葡萄を大量に栽培することに成功したのがここのドメーヌらしい。土からなるべく離して湿気を避けるなどの工夫をしたとか。残念ながら畑は見られなかったのだが、久保寺さん自らパネルを使って説明してくださった。

説明を通じて感じたのは、久保寺さんのブルゴーニュに対する強い思い。彼自身も若い頃はブルゴーニュで修行していたらしく、ロマネコンティの畑で撮影した写真などを見せていただいた。息子さんの久保寺慎史氏も醸造学を学んで現在醸造責任者を任されているそうなので、きっとお父様の思いを引き継いでいることだろう。

こちらは、試飲が全て100円でできるので、試飲だけでも十分楽しめる。そして、ヌーヌーボー以外は「シャルドネ」(樽/ステンレス)、「甲州」、「甲州のオレンジ」「甲州ピノ・ノワール」でできた白、「ベーリーA」「ベーリーA+ピノ・ノワール」「ピノ・ノワール」というシンプルなラインナップなので、試飲しがいがあるというものだ。でも、どうせなら試飲がないものも全部飲みたい、と思ったので、併設の「レストラン・ボルドー」でランチをすることにした。

正直、あまり期待していなかったのだが...結果、ものすごく良かった。ハンバーグやビフテキが美味だったのはもちろんなのだが、ワインの試飲セットがものすごくお得だったのだ。「ピノ・ノワール 2021」プラス2種類を選べるのだが、1,000円しないでたっぷり飲むことができる。それだけでは飽き足らず、わがままを言ってすでに店頭では売っていなかった「ピノ・ノワール 2019」もグラスで試すことができた。「いやいや、これ、ちょっと損されていませんか?」と思わずレストランでサーブしてくださった方に言ってしまったが、お店の人曰く「うち、ワイナリーレストランですから当然です」と。









昼からたっぷりワインを堪能して大満足だった。というわけで石和温泉に来たらぜひこちらのワイナリーを訪問いただきたい。強くおすすめします。
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