お花見を東京以外の場所で行った経験は滅多にない。なぜなら、いつも開花の予想がたたず、そうこうしているうちに予定が埋まってしまうからだ。先日、たまたま写真を撮るのが趣味だという同僚と話をしていたら、「吉野山がおすすめで、4月上旬あたりが時期だ」という。都内の桜はほぼ終わっている時期で他に予定もない。よし、駆け足で吉野山に行ってみよう! 訪問日は4月9日(土)に定め、前日の夜に大阪入りした。
私の中で、桜といえば西行法師が思い浮かぶ。なぜなら、西行法師は「願わくは桜の木の下で死にたい」みたいなニュアンスの句を残していた、という非常にうろ覚えの知識があるからだ。これを機にきちんと調べてみたところ、「願はくは 花の下にて 春死なむ そのきさらぎの 望月のころ」という辞世の句を詠んで、ほんとうにその句とほぼ違わぬ時期に亡くなったそうだ。なるほど。吉野山には西行庵という、僧侶になった西行が3年ほど暮らした庵もあるという。
西行庵|奈良県観光[公式サイト] あをによし なら旅ネット|吉野町|吉野路エリア|歴史・文化|観光
西行法師の句碑もたくさん。
吉野山に植えられたシロヤマザクラは、およそ30,000本。しかも、花見のために植えたのではなく、修験道で桜の木にご本尊を彫ったことを契機に桜が御神木とみなされるようになり、定期的に献木され、かつ保護され続けた結果、今があるとか。まさに1300年の歴史がなせる技でありさぞ見応えあるあろうな、と、事前予習するだけでわくわくしていた。
今回の旅は非常にのんびりスタート、12時過ぎに大阪阿倍野橋駅を出て、あらかじめ予約していた「近鉄特急 さくらライナー 吉野行」に乗って吉野駅へ。予約をしてくれた友人に感謝。
駅に着くと、遅い時間にもかかわらずすごい人だ。これは...もし海外からの旅行者を全面的に受け入れたら、もっとすごいことになるのだろうか。ちなみに、地元でしか食べられない有名柿の葉寿司は軒並み売り切れだった。本気で柿の葉寿司を狙うなら、朝から出かけるか、吉野山付近に宿を確保するのがいいと思う。
下千本を狙うには、駅から20分くらいのところにあるロープウェイを目指すのが良さそうだったが、駅は大混雑だったので、中千本公園に向かう臨時バスに乗ることにした。かなりの本数走っているので待ち時間は15分ほどか。観光道路を通って中千本公園まで連れて行ってくれる。あとは、ひたすら上千本/奥千本を目指して歩くのみ。
細かい描写は割愛する(しできない)が、風景は驚きの連続だった。写真を観てほしい...といいたいところだが、私の写真の撮影方法ではいまいちこの感動が伝われない。百聞には一見にしかず、ぜひ、一度は素晴らしい風景を目にしていただきたい。
吉野山旅のKey Learnings
- いいカメラ、いいスマホを持っていく
- 出かける時間が遅かった...午前中に出れば、神社仏閣もみて、かつ温泉に入ることもできたかもしれない。次回はめざせ、温泉谷! 逆に桜だけを楽しむなら、お昼に出るのでも十分足りると思う
- 到着したら、まずトイレをすませてから、とにかく上を目指す。奥千本から下に降りてくるのがいい気がした
- 中千本公園のあたりで風景に感動してお弁当を広げてしまったが、本当にみるべきは、やはり奥千本だ。次回行く時は、上の方でランチが取れるように出発時間を調整しようと思った
- 日本酒はたくさん味わうべし。「談山」の西山酒造および「やたがらす」の北岡本店のお酒が試飲ができる
- 柿の葉寿司も...東京では買えないブランドを入手したいなら、早い時間に行くか予約をするのがいい
- 中千本から上はちょっとした登山なので、装備などは配慮が必要
- あゆやあまごの塩焼きをあちこちで売っている。美味しい
- 吉野山のもう一つの名物は、葛。葛切りや葛餅、なんらかは味わうといい。私は友人に指摘されてはじめて気がついた
以下、自己満足の写真たち。こんな写真より遥かに素晴らしいので、撮影者の腕が追いつかず悔しいです。