明治座創業百五十周年記念「壽祝桜四月大歌舞伎」〜鳥居前、大杯、お祭り


明治座の150周年記念歌舞伎に行ってきた。明治座の座元兼座頭役者は初世左團次だったそうで、午前の部でやった『大杯觴酒戦強者』(おおさかづきしゅせんのつわもの)は、河竹黙阿弥が初世市川左團次のために書き下ろした作品だったそうな。だから街中にも左團次が演じる勧進帳義経銅像があったりするのか。

この日の客層は、なんとなく愛之助ファンが多いような感じがあったけれど、気のせいだろうか。歌舞伎座と少しお客様の層が異なる感覚があった。私がみた午前の部の印象メモ。

義経千本桜 鳥居前
都から逃れようとする義経静御前の物語。「初音の鼓」を持ってはかなく舞う静御前役の片岡千之助、美しかった。解説に書かれていた、忠信の「不思議な雰囲気」ってキツネ?

大杯觴酒戦強者
井伊直孝と、足軽の原才助(実は武田の旧臣)の酒飲み比べという、非常にわかりやすい題材。内藤紀伊守役の松本幸四郎は、ex市川染五郎なのね...歌舞伎役者はどんどん名前を変えていくが、苗字から変わってしまうと混乱してしまう。重厚感ある梅玉と、飲兵衛役もチャーミングな芝翫のやりとりが、アドリブも含めて面白い。

お祭り
どうも鳶頭と町娘の年齢差が気になる感じがしないでもないが、町娘役の莟玉がかわいらしくて目の癒し。大向こうさんの「待ってました」に「待っていたとはありがてぇ」と返すのは、この演目の特徴でもある、とは知らなかった。清元連中の歌い手に女流の方が入っていたのも印象にお残った。あれはどなただったのか。

幕間のお弁当は、志乃多寿司にて調達。美味でした。